第24話 突破!その壱

「おいでなすったねー!」


この夜、レジスタンスの斬り込み部隊は領事館の正門を攻撃。リュウはこの部隊で一番槍を付けたのだった。そして今、緊急事態のサイレンと共に駆けつけた警備兵と対峙しているところである。


リュウはそれを待ってましたとばかりに自信に満ちた目で〈トライデント〉を構えている。


「オオオーリャア!」


自慢の槍を横に力一杯振り切った。


ゴオオオオ!


その凄まじい風圧は警備兵20数名をなぎはらった。


「うあああ!」

「うおー!」


城壁に打ち付けられる者、土にまみれる者と様々であり、警備兵達の戦意は既に喪失しつつあった。


「よっしゃー!突破するぜー!!」


リュウは掛け声をあげ、正門に侵入しようとした。


ガガガガガガ!!!


しかし、それを阻むように門の奥にある巨大な扉が開いた。中には又、その扉に見合う大きな影が見える。


身長5メートルはあろうかというジャイアントが出てきた。


「ジャイアントきたー!」


リュウはむしろ嬉しそうだ。




オオオおおおぉぉぉア!


ドバシャーッ!!


ジャイアントは雄叫びと共に地面の土を大量に蹴り飛ばした。


「!!」


「みんな!避けろー!」


この隊のリーダーはオロチ。影を操る能力を持っている。自らの影をマントのようにして、それを防いだ。


ジャイアントの思いもよらない攻撃にこちらも何人か負傷者がでてしまった。


その巨大な怪物の動きは以外にも俊敏で既に次の攻撃に移っていた。


今度は物凄いスピードで大木のような腕を無尽蔵に振り回してきた。


「一旦、待避だ!」


オロチの号令で、隊は後ろへ下がった。


「オロチの旦那!俺に任せてくれ!」


そう叫んで、リュウはその場で集中し始めた。


気合いを入れているリュウの周りに圧力のかかった空気が集まってくる。


「よし!俺がジャイアントを足止めする。後は任せるぜ!」


オロチはそう言って、ジャイアントに向かって走りだした。

そして、左右にフットワークで体を振りだす。

どんどん左右の幅を広げていきスピードも増してゆく。

残像が5人のオロチを作り出した。

そして、それぞれが別々の攻撃をジャイアントに向かって繰り出した。


「とうした!デカ物!」


5人のオロチの攻撃は止まない。

頭部、足元、背中と高速移動でどんどん攻める。


ぐおわああああ!


ジャイアントの動きも早いがオロチ達には、まるでついていけていない。苦しそうだ。


「オロチ!いっくぜー!」


リュウの合図だ!


「!」


5人のオロチは一斉にジャイアントを離れた。


リュウは充分に貯めた気合いと共に〈トライデント〉をジャイアント目掛けて投げつけた。


「いっっけーーー!!」


ドッ!シュューーーー!


ジャイアント目掛けて電光を浴びたトライデントが飛んで行く!

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