第2話

 魔物の多い北の森、魔物溢れが近いのでは?と、ギルマスからの調査依頼で駆り出されたBランクパーティー『蒼き雪風』。リーダーの魔法騎士カイン=バイスタは、北の森の外れで負傷後、沐浴中らしき若い女性冒険者を発見した。

「これは困ったな、泉の水が血で汚れた」

「何を困る、役得ウハウハだろ。成人仕立てか、乳もだが尻も形が良い。もっとこっち向け」

「こら、止めなさいよ。盗賊のリックだけじゃなく、カインまで」

「いやマーベル、泉の精霊に聞こうと思っていたから」


 激怒した美少女は、何故か盗賊リックだけを追い回した。だがリックの逃げ足はAランクの盗賊並み、そう簡単には捕まらない。

 15分程で戻った2人の背後、使い魔か従魔かペットのように付き従う魔物、固まった古い血のような毛並みの狼、Aランクのブラッディウルフ!?

 体長は1メートル程、子供だな。大人なら10メートルより大きい。

「この嬢ちゃん、スゲーよ。襲って来たのを倒さずに手下にしちまった」

 盗賊リックの顔はボコボコ、引っ掻き傷だらけ。

「サモナーかティマー、召喚師や魔物使いはそれなりに居るけど、戦わずに調教するなんて」

「まさかな、伝説のモフモフマスターじゃあるまいし」

 そのまさか、伝説の存在、勇者モフモフマスターだった!!


「カインさん、この子のステータスを見たら、種族がブラッディウルフ変異種『ダーク』に成ってたけど、分かります?」

「変異種ダークなら、Sランクの魔物だ!」

 腹を見せ服従の姿勢、そのまま彼女にモフモフされて喜んでいる。

「魔物に見えないわね」

「……犬だな」

「名前が無いのは困るから、強そうな名前……『シーザー』はどう? こことは違う国で昔の強い将軍の名前なんだけど」

「ワフッ♪」


名前 シーザー(レイアの従魔)

種族 ブラッディウルフ変異種『ダーク』

年齢 生後1ヶ月

LV 1+5(従魔追加分)

HP  23000+1600(従魔追加分)

MP  46000+1000(従魔追加分)

スキル 霊牙 烈風斬 駿足 加速 剛力 飛行

種族特有スキル 極炎の息 

従魔追加スキル 魔法攻撃無効 物理攻撃耐性大  HPMP自動回復大

称号 『モフモフマスターの従魔』


「空まで飛べたのか。(彼女がモフモフマスターなのは確定だな)」

「この子が暴れていたら、ナージャの町は全滅ね。魔法攻撃無効は最悪よ」

「戦っていたらブレスだけで全滅だな。極炎のブレスは完全結界でも無理だ」

 レイア自身は、恐くて自分のステータスを見ていなかったらしい。ステータスを見ながら落ち込むレイア。


名前 レイア=ノーザンベル

種族 不死族 モフモフマスター

職業 従魔使い 冒険者 モフモフマスター

年齢 14歳

LV 173

HP 18953

MP 39430

スキル 調教 捕獲 剛力 駿足 加速 爆裂拳LV9 スラッシャーLV7

魔法スキル 炎LV5 水LV8 光LV14 闇LV14 混沌LV28

種族特有スキル 不老不死LV3 魔法攻撃無効 物理攻撃耐性大 HPMP自動回復大

称号 勇者 モフモフマスター


「人間ですらなかった……」

「勇者に成ると、種族が人間族から不死族に変更される、君は知らなかったのか?」

 orz、勇者が落ち込むと取る特有の姿勢、もう彼女は勇者モフモフマスターなのだ。


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