第38話 うれしい目覚め


「あ! 何時間眠っていたんだろう、ああ、良かった気分も良いな、これなら」

と部屋を急いで出たが、ほのかに何かの香りがする。

「キッチン、夜食でも作って食べたかな」

とサマーウインドが入ると、一層おいしそうな香りがした。そこにはまだほんの少し温かなスープ鍋の中にあって、いかにも消化もよさそうなものだった。

「ありがとう、ハーナ、助かった」


何日か前ハーナから話を聞いたことがあった。

「地球時代のプロ野球の選手の話を聞いたことがあるんです。大投手で、現役生活もとても長かった。その人は自分で自分の料理を作って健康管理をしていて、このことを間近で見た選手は驚いて、それが強さの秘密で秘訣なんだろうと思ったそうです」


「そうか、でも今は君にもちゃんと料理の担当がいるんだろう? 」

「ええ、でもやっぱり作ります。でもエンランを始めてから、料理を作りだしたんです、それまでは母親任せでした」

「ハハハ、全部が全部やる良い子なんて、いないよ、子供は遊ばなきゃ」

「フフフ、今でも悪戯するんでしょ、キャプテンサマーウインド。ヴェルガ達が

「大変なんだ、どうにかしてくれ」って私に言うんですよ」

「どうして君に言うんだろう、会ったこともないのに」

「本当に」


一人で食べながら思い出していた。

「温かい食べ物って本当に元気が出る、さあ、ちょっと健康チェックして行けそうなら行こうかな、きっとハーナは疲れて眠っているだろう。これが終われば、後一回だけだ、ギリギリか・・・」


ハーナが出場できそうだということは、大会の本部に伝わって来ていた。



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