第36話 珍しい連絡


「サマーウインド・・・大丈夫か・・・」

「ボルトじゃないか! 珍しいな、俺に連絡をしてくるなんて」

「ハーナはどうだ? 」

「どうだって、ずっとエンランの資料とにらめっこだよ。会うのは食事の時くらいだ。お前のエンラン好きも大したもんだな。クリームはあれだけ運動神経が良いのに、スポーツはあんまり見ないからな」

「それはきっと妬みの心が生まれるからだろう? 彼らの身体能力と自分を比べたら、かなり劣るから」

「お前・・・最近ちょっとひどいぞ、時々クリーム以上に心をえぐることを言う」

「それに・・・ロロの事があるから、あんまりエンランの事を言うと「癒着だ」と言われるかららしい」

「ハハハ、ロロは大勢いた患者の一人にしておかないと、院長先生には面倒なことになるか」

「そう言うことだ、お前の体調はどうだ、サマーウインド」

「どう思う、どう見える? 」

「すごく元気そうだが・・・」

「ハーナの作る料理がさ、凄く美味いんだ、うれしすぎる。あったかい料理を久々二人で食べると嬉しいよな」

「だが、サマーウインド、彼女は要人だからな、偉大な選手だ。船の中ではお姫様だと思って運んでくれ」

「ホー、お前からその手の注意があるとは思わなかったよ。大丈夫、今は彼女はまさに森のハーナ、獲物を虎視眈々と狙っている目をしているさ、食事の時もエンランのことを話すときは別人だ」

「そうか、私も立場上、あんまりハーナだけを特別扱いできないから、私から連絡があったことは内緒にしておいてくれ」

「わかったよ、じゃあな」

と通信を切ると、すぐさま別の所から


「サマーウインド! 森のハーナに投球を見せてもらったか!! 」

仲間のポウの興奮気味の声が先に聞こえた。

そして急に六人で話をすることになった。


「あそこは通らない方が良いぞ、サマーウインド」

「だとしたらさらに三日遅れるな・・・」

「最悪前日にしかつかなくなるぞ」

「だが、サマーウインド、無理をするな、今のお前の能力は悪いがピーク時の七割だと思った方が良い」

「ほかの所もひどくなっているんだろう? 」

「俺たちが嵐を起こしたみたいに言われているぞ、全く、総司令部も早々とやるからだ」

「大手企業の言いなりになるからだ、だが選手は可哀そうに」

「完全に封鎖状態の所もあって・・・ハーナはまだ一か所残されていたから良かったものの・・・」

「気持ちが滅入る話だ、で、どうしてわざわざ全員会議なんだ? 」

「お前が無理をしないように、ハーナのために頑張ろうなんて思っているんじゃないかと思って」

「ホー・・・なかなか感がよろしいようで」

「でもそうしたら罰を与えるからな」

「罰ってなんだ、塩」

「唐辛子味の貝に決まっているだろう? 」

「ハハハハ」「そりゃいい」「でもみんなが会った時にやろう」

「とにかくサマーウインド、無理は絶対禁物だ」

「わかったよ、俺としたら、美味しい料理が一日でも長い方が幸せだから、でもなあ・・・」

「安全のためだ」

「わかった、了解」


そして宇宙の六人が心配していた通り、急激な嵐が普段は起こらないと言われていた、彼らの進路に待ち受けていた。



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