第8話



「はぁ?取引?おまえと?」


「そうだ」


「ルールを破りまくってるお前とか?」


「そうだよ、ルールは守らないが約束は守るかもしれないだろ?」


「信じられるわけないだろ」


「不良なのに信じられないとか信じられるとか言うんだな」


「……てめぇ」


「まぁ、まて。とりあえず僕とこいつに今後関わらないと約束したら正直に罪を認めよう」


「は?」


「どうだ?悪い取引じゃないだろ?」


「……まぁ、でも……やっぱり知り合いなのか?」


「いや、知り合いじゃあないけど」


「へっ……恩を売って友達になろうってか?お前もテンプレートじゃねぇか!」

ゆうじは楽しそうに嗤った。


「かもなぁ」


彼は無表情のままだ。


なにをどう言ってもまったく気に留めない彼をゆうじは忌々しく睨みつけた。


「ゆうじ!」


後ろからピンクの髪の不良が声を上げる。


「ちっ……わかった。約束は守れよ」


「あぁ、そちらが約束を破らない限り守るさ」


ゆうじはそのままバイクを走らせようとしたが途中で止まって振り返った。


「おまえ、名前は?」


「よびと」


「ヨビト?変な名前だな……ていうか、普通に応えるんだな」


「まぁね。二度とかかわらない人間だから答えないとおもったか?」


「……まぁな。もう会うことないが覚えといてやるヨビト」


「あぁ」


彼らがバイクで居なくなった後にパトカーのサイレンの音が聴こえてきた。



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