第11話
朝食を軽く済ませ、腹ごなしも兼ねて、リアムと駅前の中央広場をのぞいてみた。
マルコは最終調整がしたいと倉庫に戻ってしまった。
もうすでに大勢の人が集まっていて特設超大型モニタに釘付けになっていた。
『会場はココか?』
『β版はやったこと、あるんだぜ』
『へえー、すげぇゲームだな』
皆、それぞれ数人のグループである。
中には1人できている人もいるにはいるが稀であった。
それが途切れることなく集まってきていた。
モニタには地球上のあらゆる場所が映し出されていた。
ニューヨークによく似た大都会。
どこまでも続く砂の海。
京都によく似た町。
よくある港町。
……
風雪に閉ざされた風景もあった。
透き通るような綺麗な音楽をバックにその風景の中を走る人影。
『14時からイベント開始となります。
もうしばらくお待ち下さい。』
【よりリアルな風景の中で非日常の戦闘を味わう快感】
【サバゲーより戦闘を感じれるゲーム】
シンのキャッチコピーである。
テストのときも感じた生生しさが甦る。
普通、自分の壊したブロックの破片でアバターが壊れる?壊れないでしょ。
人を刺したときの違和感も……。
頭をブルブルと振って嫌な考えを頭から追い出す。
“イベントは2時間を予定しております。
水分などの準備はお済みでしょうか?”
“受付、物販などお困りの方、インフォーメーションはこちらへどうぞ“
スタッフも慌ただしく動いている。
もう、全て走り出してしまったんだ、とハルキはボンヤリ考えていた。
なにか、胸の奥にある違和感に気づきながらも無理矢理蓋を押し込む。
あと、数時間後。
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