第10話

結局、シンのビル内で朝を迎えてしまった。


リアはハルキのベッドで。

ハルキはその横のコタツで。

マルコは倉庫のハルキ、リアのアクターの前で。


3人3様の朝を迎えた。

あと、数時間後にはイベントが始まる。


最終調整はすでに済み、いつでもO.K.なのだがなんとなく気がのらない3人。

昨夜は遅くまで騒ぎまくり、コタツの上にはその跡がはっきりと残っていた。


「……喉渇いたあ、何時?」

リアのいつもと変わらない声を聞いて何故か気持ちがほっとする。


「8時かな。朝はどうしようか?」

う~っと伸びをほぼ同時にやってしまい、思わず笑ってしまう。


「イベントより先にできちゃったよね」

左手をブラブラふるリア。ドッグタグが揺れている。

「成功のお守りってこと」

ハルキは右足に、マルコは首につけている。

「そっかな、そうだね」


軽く身支度を整え、部屋を片付ける2人。

凄いねえ、とぼやきながらリアは次々ゴミ箱に放りこんでいる。


「顔出ししないの?」

「顔も声もなし。その契約でしょ」

もったいないとぼやく、リア。


「早く片付けてマルコ拾うよ」

いい損ねて吹き出してしまう。


いよいよ、4時間後。

もう、後戻りできない。


運命のターニングポイントを迎える。

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