第20話「超絶覚醒マジカル☆イーター」
「魔法少女デストロイヤルビギンズ!」
「魔法少女デッドエンドビオバスター!」
「魔法少女グランドクロスエターナル!」
「魔法少女ジャッジメントガバナンス!」
そうそう、魔法少女が四人そろって最強フォームで敵を撃破する、そのたびに変身ベルトが発売されベルトに付属されてる最強のアイテムが更新されライバル魔法少女との共闘などいろいろな変遷を経て最終的に魔法少女のベルトを作った災厄である根源との対立などもろもろあってマジですごいのがこの魔法少女グランド☆フィナーレのクライマックスシリーズなのだが、いかんせん魔法少女も三百年放送を続けると腹筋は割れてるし首は太いし、いやまあ別に女性を強調しろとか少女性を大事にしろとかそういうことを言うつもりは無いんだが、そのね? こういう形で幼いころから女の子にジェンダーを教育するとかいう目的のアニメをつくらなくてもええやん? そうおもうのだけどそういうの無視して本放送してしまってるからもう仕方ねえなアとは思ってる。
「チャンネル変えられないだけありがたく思えよ」
いつからか女性というジャンルに精神的女性である男性がメインとして据えられるようになってからそんなに時間は経ってない気がするがもう百年となる。
実際問題で女性を売りとした制作物はジェンダーの観点から考えたら悪そのものなのでまあ分かる歌舞伎で女役をしてた男性がテロリストに殺害されたのが記憶に新しいが、本当にジェンダーの問題はこじれにこじれている。
「「「「我らはこの世から性というものを駆逐するまで絶対に許さない!」」」」
この魔法少女(自称)によるバイクによる追跡劇も回を重ねるごとにド派手なアクションになり火薬の量が間違ってんじゃないかというぐらい後方で建築物が爆破される、CGでやれよと思うがこれは伝統芸能なのでセットを作っては爆破するし、今の日本だと破壊しなければならない廃墟が多すぎるので毎年跡形なく爆破しても全然かまわないという話らしい、変に廃墟残しとくとテロリストの聖地になるので構わないが。
「「「「くたばれ! 名誉男性!」」」」
何にしても昔から続く魔法少女シリーズだから魔法少女は最強の戦士としてカテゴライズされてるらしいから仕方ないのだが、いくら何でも男性に付する女性を性的消費してる敵をめっためたに殴り殺すシーンを児童に見せるというのはどうなんだ?
まあ仕方ないのだとは思う、ここはジェンダーフリーの理想郷、性殺界と呼ばれる場所だジェンダーフリーよりかは多様性に重きを置いたトーキオーがうらやましいが同じ日本でもテロリストが占拠してる地域ではこうも生きてる世界が違う、無理もない未だに古典的なテレビ放送にすがりついて都会のハイパービルディング山脈に地方民が食われたことに腹を立てて海外のテロリストたちを凝縮した蟲毒の中で生きるには見敵必殺の一撃を誰もが鍛えるしかないのだ、末法の世である。
「「「「!!!ヴィクトリー!!!」」」」
全身でブイの字を決める彼らのあとやっと終わったかとエンディングテーマが流れるが、どうやら今年は来期の魔法少女にバトンを託すことはしないようである。
「何々? 次回からは”超絶覚醒マジカル☆イーター”を放送します? だって?」
なんでも突如自称魔法少女に襲われた8歳の美少年が悪魔王子ドミサタンに魂を売り渡してこの世の自称魔法少女を全て撲滅するというサタニックホラーバイオレンス巨編を朝の時間帯にお送りするらしい、これを見て世の少年少女は何を思うんだろうな?
「まあ、もうこの日本に子供なんていないんだけどな」
また幻想の中で非実在青少年が描かれると思うと少しはテロ根絶の機運が高まってきたのかなとテレビを見ながらシェルターの中で備蓄食料を消耗しながらこの戦いは続く、いつかは表現の自由が戻ってきますように。
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