15日目 廃材と壊れたテーブル

風「で?それがどうしてこうなった?」

雨「わからん」

 目の前にあるのは元々廃材だったはずのもの、今は灰。ひどい話だ。テーブルを作ってくれって言ってたんだけど?

雨「話をしよう。あれは3時間、いや5時間前だったかな?まあとにかくあたしにとっては昔の話だ。あいつらははじめから人の言うことを聞かなかった」

風「あなた以外に誰がいたんですかねぇ?」

雨「知らんな」



雨「へい紗雪、風音がテーブル作れってさ」

雪「了解です」

 あのとき、あたしたち二人はのんびりテーブルを作るはずだったんだ。あいつが来るまではさ。

Di「のだ!」

Lu「です!」

 そう、現れたのはあの二人、何かとうるさい『シャルロット』の二人だったんだ。

雨「おう邪魔すんなら帰れよ」

Di「お断りなのだ!」

Lu「無理です!」

雪「いいですか、邪魔だけはしないでくださいね。したら頭が輝くようになる魔法を掛けます」

雨「どうしてそのチョイスになったのか、コレガワカラナイ」

雪「趣味です」

雨「なんつー趣味だよこのやろう」

Di「のだ…」

 一言で恐怖を的確に表してる、10点。

雨「邪魔さえしなければ見てっていいんだぜ?邪魔さえしなけりゃさ」

Lu「手伝わせて」

雨「紗雪?」

雪「駄目です」

Di「なんでだめなのだ?」

Lu「わけがわからんのです」

雨「理由を話す必要はない、帰れ」

Lu「嫌です!これですね?」

雪「ちょっと、仮止めだから触らないで…」

 ボンッ。

Di「のだ!?」

 何故か爆発が起こった。

雨「あー、紗雪さん?なんで爆発したんですかねぇ?」

雪「ちょっとよくわからないですね」

Lu「う〜…ひどい目にあったです…」煙の中からルナが出てきた。

雨「おう、ひどい目にあったなら帰れや。また爆発すんぞ?」

雪「そうですね。これ以上ひどい目に合わないうちに帰ったほうがいいですよ?」

雨「おうお前らん家どこだ、送ってやるよ」

Di「ない」

雨「あん?」

Lu「ない、です!」

雪「えっと、今、なんて言いました?(゜_゜)」

 あら珍しい、紗雪さんが困惑してるわぁ。

雨「お巡りさ〜ん!ここにホームレスが二人いま〜す!」

Di「のだ!?あたしはホームレスじゃないのだ!ちゃんと家もあるのだ!今はないけど…」

雨「あるぞ?」

Di「え?」

雨「今多分陽菜が建てに行ってると思う。建築基準法に則ってるかはしらんけど」

Lu「ダイアナ!今すぐ帰るです!このまま放っておいたら…」

Di「家が馬鹿みたいなキン肉マンハウスになるのだ!?」

 さっさと帰っちまったよ。忙しいやつらだ。

雪「たしかに、あの二人ならやりかねませんね」

雨「かもね」



雨「…って言うわけなんだよ。まぁた面倒くさいことしてくれやがった」

風「で?なんで未だにこの状況なんですか?」

雨「そういえばまだ片付けしてなかったな」

雪「そういえばそうでしたね」

雨「まあいいでしょ」

 いいんだってさ。


 …いやよくないだろ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る