閑話1 襲来の日 -Eve-

風「そういえばあいつら、今どうしてるかなぁ」

雨「あいつらって、シャルのことか?」

風「そう。あのゲーム脳」

 風音たち二人は電話で彼女、シャルロットの話をしていた。いや、彼女「たち」というべきか。「シャルロット」とは、鳴海なるみ姉妹のコンビとしての名前、というべきか。彼女たちは普通の人間であるにも関わらず、異常な能力を持っている。特に異常なのはまあ今の会話からも推測できるとおり、

風「またあいつらのプレイング見れるかねぇ」

雨「あー、確かに見たくはある。前に、失踪する前だったか?はエネたちといい勝負してたからな」

風「あれは私達には真似できないね。人力TAS」

雨「あれで魔法使えたらあたしたちの出番ないからな」

風「いつかあいつだけで看板持ちそうだな」

 それはまもなく実現するのだが、このときはまだ知らない。

風「『私より強いやつに会いに来たのだー!』ってひょっこり帰ってきそうだけどな」

雨「あいつらならあり得る、というかそうじゃないとおかしい」

風「ならその前に名前を思い出しとかなきゃな」

雨「そうだな。えーっと、鳴海…あ、そうだそうだ。もうダイアナとルナでいいや」

風「諦めたな」

雨「うん」

風「『本名で呼ぶな!』って何度も言われたからねぇ」

雨「覚えてなくて当然だよな」

風「ということにしておこう」

 彼女たちはなぜか本名が嫌いらしく、私達にも決して教えようとしなかった。結局紗雪がマインドスキャン☆をして本名(姉︰卯月うづき、妹︰弥生やよい)が判明したわけだが、結局その名前で呼ぶことは許してくれなかった。なんでだろう。ワカラナイ、ワカラナイヨ??

風「なんか、こんなこと話してたら明日にでも現れそうだな」

雨「そんなこと言って明日現れたらどうすんだ、近所に定住するぞ?」

風「いいんじゃない?エネの遊び相手が増えるし、シャルの二人も目的が達成できるわけだから」

雨「これが家に未確認の何かがたくさんいるやつの余裕か…」

風「それはそっちも大概じゃん?まあそれもあるかもね」

雨「逆にそれくらいしか可能性が思い浮かばないんですが」

風「きにするな!」

雨「きにするわ!」

風「まあ、どんな結果になっても面白けりゃいいのいいの」

雨「へぇーん?」

風「何その反応」

雨「はぁーん?」

風「ふぅーん?」

雨「まあいい、それは明日にでもわかること。今日はもう寝てしまいまひょかねぇ」

風「はいはーい、おやすみなさいね」

 ツー、ツー、ツー。

風「確かに来たら面白いかもな」


Di「さて、目指すは日本!出発だぁ!」

Lu「おー!」


 …まさかね。

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