4日目 ささやかな贈り物の日

 そういえば、前回「長雨ながめ」という名前が出てきたけど、説明するのを忘れていたね。彼女は河地長雨かわちながめ。私の友人であり、双子、かつそのどちらも魔法使いであるという点において私達と似ている。だからなのだろう、私達4人は出会ってすぐに意気投合した。そして今は私達と同じ学校に通っている。

 妹のほうは河地紗雪かわちさゆき。特に陽菜と仲がいい。私達の中ではかなり落ち着いている方。たぶん。あと観察能力が高いらしく、大体のことは筒抜けのようだ。

 そして、

雨「おっ、今日は遅刻せずに来れたじゃん。珍しい、珍しくない?明日は隕石でも落ちてくるかな?絶対落ちてくるね、賭けても良い」

 これが長雨。

風「失敬な!私はいつも通りに来ただけだ」

雪「嘘ですね、顔がそう言っています」

 で、これが紗雪。

陽「ほらね風音、やっぱりばれると思った」

風「何だこの一方的なアウェー感、許されてはならない」

雨「許される以外の選択肢がないんだよなぁ」

風「ダイッキライダッ!オマエラニンゲンジャネェ!」

雨「残念、私達は魔法使いなんだよなぁ」

雪「魔法使いも人間では?」

雨「そんなことは俺の知ったことではない!」

陽「えぇ、、、」

 いつもこんな感じだ。特に話すネタもないままダラダラと話し続けている。


 で!


風「あっ、そうだ。ベルトポーチいる?」

雨「どういう脈絡でその話が出てきたのかお教え願おう」

風「しらんな」

雨「バカの世界チャンピオン」

風「黙れ小僧!」

雨「これって拡張と無重量は?」

陽「掛けといたよー。ついでに自動修繕も」

雪「やっぱりその分野得意なのっていいですね。何でも作れる」

陽「遠距離極振りもいいと思うけどねぇ」

 私達は一応一人ひとり得意分野が違う。私は水と風、陽菜は光と地、長雨は水と炎、あれは派手だよー。で、紗雪は氷と闇。まあ大体名前通りだ。名前通りになるようにした、というのもあるけどね。まあこの話はまたの機会にでもしようかな。

雨「それはありがたい。ならいただこうかな」

 ま、3年前に買ったものだけどいいでしょ。自動修繕かかってるから問題ない問題ない。

雪「で?」

風「で?」

雪「これは何年前に買ったものなんですか?」

 コノヤロウ。的確に隠しているところをついてきやがる。

風「イヤ?ナンノコトダカワカラナイナァ?」

陽「3年前のだねー。まあ自動修繕かけてるから問題ないと思うよ。まあ要らないなら持って帰るけど」

風「ヘァッ!?」

雨「そのようなことあろうはずがございません」

 ということで、余ったベルトポーチは長雨のものになりましたとさ。めでたしめでたし。


 …ほんとかなぁ?(疑惑)

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