第95話 皎血城の地図
Vたちが影の世界に消えた直後、僕の脳内に精密な皎血城の全体図が
この皎血城は南北二つの塔があり、それぞれ北斗の塔、南斗の塔という名前がつけられていた。
城自体は地下二階、地上五階のかなり巨大なものっだった。
そして、城主であるエリザベート・バートリーがいるのはその最上階であろうと思われた。なぜならけた違いの生命反応がそこにあるからであった。
あの八雲神社にいた天使ウリエルと同等かそれ以上の反応だ。
「まるで隠すつもりはないようね」
零子さんが言う。
僕は彼女の秀麗な横顔を見る。
「あ、ごめんなさいね。その地図私にも見えたから。何せ、私は魔女だから」
と零子さんは言った。
まったく不思議な人だ。
まあ、そのぶんたよりにはなるけどね。
「北斗は死を象徴し、南斗は生を象徴する。城主はあの中世の吸血姫エリザベート・バートリーと同じ名前を持つもの。これは一筋縄ではいきそうにないわね」
零子さんがそうつけたした。
どこかQも真剣な面持ちだ。
ちょっと待って、月彦。
これは予想外のことがおこったわ。
月読姫が慌てて言う。
どうしたの?
僕は訊く。
あのVを解放したことによって新しく神霊も解き放たれたようね。
その名はタケミカズチ。
七つのギフトの一つ、如月に登録さてたわ。
これで解放された古の神はスサノオ、ヒルコ、タケミカズチの三柱になったわね。
これで
次の戦闘で使ってっみましょう。
これからの戦いは今までよりも強い敵があらわれそうだからね。
月読姫は言う。
どうやら僕はまた強くなれたようだ。
だんだん人間離れしていくのに一抹の不安をおぼえるが。
だが、これからおこるであろう厳しい戦いにむけてなりふりかまってられない。僕は強くならなければいけない。
「さあ、行こう」
僕はQと零子さんに言う。
「ええ、行きましょう」
Qは丸い、愛らしい顔に笑顔を浮かべて言った。
「さて、鬼がでるか蛇がでるかね」
零子さんは愛用のバンドラインスペシャルの撫でて、そう言った。
鉄の城門を開け、僕たちはついに皎血城の中に侵入する。
十分ほど前庭を歩くと、巨大な鉄の扉にたどりついた。
視界のマップを確認したがまだ敵対反応はない。
左にいるQと右にいる零子さんを交互に見る。
二人はだまって、頷いた。
僕はその五メートルはあろうかという両ひらきの扉に手をかける。
ギギギッと鈍い音がして、扉が開く。
僕たちは皎血城の中に入った。
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