第38話 ドS疑惑
時は戻り現在。
信之とイリスは経験値の間の二階層に来ていた。
一面銀世界のこの階層には、メタルヒュージスライムがあちらこちらにポップしている。
因みに初めに信之が来た時には寒すぎて暖かい格好をしていたが、現在は聖女のスキル「エアーコントロール」の魔法で周辺の温度を適温にしている為、厚着をする必要がなくなった。
「さて、イリスとレベル上げしているときに見つけた、三階層への地下に向かうか。」
「うん!」
そう言って、二人は二階層の入口にある直行直帰を使用し、三階層へ向かうための地下入り口前に転移した。
以前信之は、イリスに直行直帰はテレポートや瞬間移動のスキルがある為、いらないのではないか。という話をしたところ、
「それは違うよ信くん!せっかく直行直帰さんがいてくれるのに、テレポートとか瞬間移動とか使っちゃうなんてデリカシーがないよ!何のために直行直帰さんがここにいてくれているのかをもう少し考えてあげて!この経験値の間はちょっこうちょ…」
と、小一時間ほど直行直帰の気持ちや存在価値などを語られてしまい、信之の心のHPは瀕死の重傷を負ったのだ。
それから信之は、経験値の間へ来た際は直行直帰の使用は必須としている。使用しないでスキルを使った時には、目のハイライトを消したオタクがやってくるからだ。
───────閑話休題
「三階層に続く地下は、特に二階層の時の地下と変わりはないな。」
信之とイリスは先に進み、三階層への扉を見つけた。
「ありゃ?今回は守護するモンスターいないのか?」
信之は周りを確認するが、モンスターはいない。
「いなそうだね。あ!あそこに宝箱あるよ!豪華な形してるしレアアイテムが入ってるかも!」
イリスはそう言って、扉の近くにある「鈍色」の豪華な宝箱を開けようとする。
(…ん?鈍色!?)
「イリス!まて!開けるなッ!!」
信之は声を荒げてイリスに伝える。
「ふぇ!?」
イリスは既に鈍色の豪華な宝箱に手を添えていた。
その時…
突然、宝箱が動き出す。
宝箱は口を開けるかのように、勝手に蓋が開く。蓋には鋭利な牙のようなものがついており、その牙がイリスを襲う!
「ひ!」
イリスは突然の事で対応ができず目を瞑ってしまう。
(くそっ!ミミックかよ!瞬間移動が間に合わない!)
咄嗟の事で信之も反応が遅れてしまう。
しかし
ガキンッ!!!
ミミックの牙はイリスに当たらずに止まる。
「…!オートプロテクション?」
片目を開けて状況を確認したイリスは呟いた。
イリスは、不意を突かれても自動で防御が可能なスキルオートプロテクションを取得しており、その存在を忘れていた。
信之はオートプロテクションが発動したことに安堵すると、すぐにイリスの元へ行き、ミミックを蹴飛ばして距離を取る。
「イリス!大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫。ご、ごめんね?」
「いや、無事ならよかったよ。それよりミミックだ。鈍色という事はメタル系だと思うから頼んだ!」
「わかった!」
メタル系にダメージを与えることができる、メタルハントショートソードは現在イリスが持っている為、後の事をイリスに頼む信之。
「ふっ!」
イリスはミミックに斬り付ける。ミミックは予想以上に素早く、攻撃を避けられてしまう。
「むぅ!ストーンシールド!ソーンバインド!」
少しイラつきを見せたイリスは、ストーンシールドでミミックの逃げ道を塞ぎ、さらに移動ができないように茨がミミックを足止めする。
「ふふふ…ミミックさん、もう動けないですからねぇ~?おとなしく経験値になっちゃいましょうねぇ~?」
ミミックを捕まえたイリスは、レベル上げオタクへと変貌しメタルハントショートソードをミミックに見せながら距離を詰める。藻掻いて体を震わすミミックは、心なしか怯えているようにも見える。
(イリスって…何気にドSだよな…。)
現状と言い、夜に行われる格闘技でもこってり搾られている信之はふと思う。
「わーい!レベル上がった!」
ミミックを倒したイリスは、レベルが上がり喜んでいる。
「結構経験値がもらえたな。やっぱりメタル系だったんだろうな。鑑定をするのを忘れていたが、さしづめメタルミミックってところか。」
信之がミミックの名づけをしていると
ーーーーーーー
神谷イリスが二階層の守護者メタルミミックを倒しました。
初めて二階層守護者を倒したボーナスとして平信之にはスキル「成長促進」を贈呈します。
ーーーーーーー
「あれ?倒したの俺じゃないのに、俺に特典が入るの?」
「信くん忘れちゃった?私が門鍵のコントラクトするときに、注意事項みたいな感じで言われたよ?」
そう言われてみるとそんな気がしてきた信之。
「とりあえず、新しいスキルを見てみるか。」
ーーーーーーー
(名)
成長促進
(概要)
レベルが上がった際、能力の上昇率が15%増加する。
※スキルを取得する以前の能力は対象外
ーーーーーーー
「なるほど。例えばレベル上がって、HPが100上がっていたとしたら、このスキルによって15増加して合計115になるってことか。1レベルとかでは全然だけど、チリツモな感じか。」
「うん!十分強いスキルだよ!他の人に差をつけられるからね!」
「確かにそうだな。これで天衝銀竜に一歩近づけそうだ。…先に進もうか。」
メタルミミックの
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