第36話 役立たずの最後
カツ…カツ…カツ…。
暗闇の病院内で男と女は歩いていた。
病院内のナース達は、勤務中なのにも関わらず皆眠ってしまっている。
二人は、目的の病室へと入った。
「ありがとう、利花。君の能力のおかげでスムーズにここまで来れたよ。」
「いえ、神示様のご命令とあらば。」
利花は、恭しく頭を下げて神示に言う。
年齢は現在25歳で身長は162cm。
細い眉で、眉山には角度があり、目も切れ長である為少しキツい印象がある。
髪はモカブラウンのストレートで肩に髪が付く程度の長さだ。
利花の職業は
植物の花をスキルで召喚し操ることができる職業で、病院内のナース達が眠っているのは、スキル「眠香」によるものだ。
眠香は、直接的なダメージは無く、一定範囲を眠りに誘うスキルである。
神示と利花は、ベッドに横たわる男の前に立つ。
「やあ、悠助。」
「…んっ…。ここは…。し、神示?何でてめぇがここに?」
眠っていた悠助は目覚め、顔だけを神示に向ける。
「覚えているかい?僕は、君に大人しくしていてくれと言ったんだがね?」
神示は発言と同時に殺気を強める。
「うっ…。い、今更ゴタゴタ言うなって!もうやっちまったんだから仕方ねぇだろ?それよりもこれからのことを考えようぜ、神示。」
悠助は、神示の殺気を浴びて大量の冷や汗を垂らしながらも神示に提案する。
「俗物が、社長に馴れ馴れしい。死ね。」
利花は、スキル「死惑」を使う。
スキルを使用すると利花の手から紫色のおぞましい花が出現し、風魔法で悠助にだけ匂いが行くよう操作する。死惑は非常に毒性が強く、花の香りを対象に嗅がせるだけで殺すことができる暗殺系のスキルだ。
「ぐ…が…、が…ががが!」
悠助は逃れようとするが以前逃亡した前科があったため、四肢は繋がれさらに重傷を負っているという事もあり、ベッドから抜け出せない状態であった。
「おやおや、相変わらず利花は節操がないね。もう少し話したかったんだが。」
「必要ありません。不快になるだけです。」
「ははっ。確かにその通りだ。じゃ、帰ろうか。」
神示は踵を返し、呟く。
「君は本当に何の役にも立たなかったねぇ。…悠助。」
次の日、悠助の死は大きなニュースとなった。
「——容疑者である蓮見悠助の死亡を確認しました。死因は不明で、手足は藻掻いたような形跡があり、他殺と事故死の両面で警察は現在調査中です。」
「何があったんだろう…。」
ニュースを見ていたイリスは、不安げに信之に問いかける。
「情報が少なすぎて分からないな…。」
信之も流石に答えを出すことが出来ない。
ちなみに今はシリアスな雰囲気となっているが、信之の姿は裸でミイラのような状態だ。
ニュースを見る直前まで信之は、イリスにこってり搾られていた。
「あ!なぁ、イリス。俺らまだ経験値の間を二階層までしか進めていないだろ?」
「え!?もしかして、とうとう先に進むの!?」
イリスは嬉しそうな顔でこちらを振り返る。
今のイリスの顔はとても艶があるようだ。何が理由とは言わないが…。
「ああ。そろそろあそこの三階層に行きたくてな。」
信之が三階層に行きたいその理由がステータスにある。
ーーーーーーー
平信之
職業 魔導王 ☆1
種族 デブを卒業せし凡人(筋肉質)
称号 羞恥神・大魔導
Lv 3/50
HP 5980
MP 9999
ATK 2228 ※攻撃力増加Lvアップ分含む
DEF 1680
INT 8210
AGE 1050
スキルポイント 32000
スキル
「鑑定」、「獲得経験値増加Lv9」、「スラッシュ」、「十文字スラッシュ」、「バックスタブ」、「攻撃力増加Lv9」、「異次元収納」、「シールドアーマー」、「剣技Lv9」、「ファイアショット」、「アイスショット」、「ウインドショット」、「ストーンショット」、「魔力操作」、「魔装召喚」、「テレポート」、「瞬間移動」、「ヒール」、「ワイドヒール」、「エクスヒール」、「ファイアスピア」、「アイススピア」、「ウインドスピア」、「ストーンスピア」、「ストーンシールド」、「サンダーブレード」、「エクスプロージョン」、「アブソリュート0」、「サイクロン」、「グランドノヴァ」、「魔導の極み」、「消費MP軽減Lv9」、「キュアヒール」、「ナイトアイ」、「ウインドインパクト」、「纏幻」、「魔纏の瞳」、「竜頭掌底波」、「ショックウェーブ」、「纏翼」、「メテオスウォーム」、「ゼフュロス」、etc…、「ア〇ンストラッシュ」
・転職が可能です。
・上限突破の間へ転送が可能です。
ーーーーーーー
「・上限突破の間へ転送が可能です。」
以前から信之のステータスにはこの文言が表示されていた。
時は、数週間前に遡る…。
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