第15話 探知魔法を練習したら天使とゴブリンを発見しました。

ーーーーーイリス視点ーーーーー


私が、ピエロさんに助けて貰ってから2週間程経ちました。


事件の次の日、事務所はあんな事があったからという事で、私は10日程の長期休暇を頂きました。


私は特に長期休暇は要らないと言ったのですが、事務所の方々はとても心配して下さり、半ば強制で取らせて頂くことになりました。


10日が経ち、私は職場復帰して仕事を行いました。次回の仕事の打ち合わせ等を行い、4日後である今日は撮影の為代々木公園に来ております。


「イリスさーん!一旦休憩しましょう!」


「はーい。」


休憩になったので、私は飲み物を飲みながらスマホのニュースを確認していました。


「ピエロさんの情報は…無しかぁ。」


2週間経った今もピエロさんの情報はありません。


そういえばあの事件から、事務所はボディガードさんを雇いました。


ボディガードさんは凄く強そうで、サングラスを掛けてスーツ姿で周りを警戒しています。


緑色のモンスターは、とても恐ろしいのでボディガードさんがいてくれるのはとても助かりますっ!


あっ、2週間の間に緑色のモンスターの名前も正式に決まったようでニュースになっていました!


名前は…ゴブリン。

聞いた時、ピエロさんもゴブリンって呼んでいたことを思い出しました。

確かにアレはゲームでよく見るゴブリンという感じでした!

命名した方はきっとゲームが好きなんですね!


SNSでも、やっぱり。とか、政府安直すぎ。とか想定通りだというコメントも多かったですが、私は分かり易くて良いと思いました。



「ん?なんかあそこ歪んでないです?」


ADの方がそんな事を言いながら指を指しています。

私も指がさされている方向を確認すると、確かに歪んでいました。


その場所は特に何がある訳では無い空中です。

辺りは少し、紫色の煙のようなものが漂っていて、何かは分かりませんが、とても嫌な予感がしました。


「見に行きます。皆さんはここに居てください。」


そう言ってボディガードさん達は2人で歪んだ場所に行きました。

ちなみにボディガードさんは4人いて、他の方は私たちの近くにいてくださっています。


「…!何か出てきたぞ!」


ADの方の声と同時に、歪んだ所から何かが出てきました。黒いシルエットですが、私は見覚えがあります…。


「ご…ゴブリン…。」


2週間ぶりにゴブリンを見た瞬間、私は激しい動悸と血の引く感覚を覚えました。


「!!逃げて下さい!ここは私達で引き止めます!」


ボディガードさん達は私達を守るために、盾となってゴブリンを止めるようです。


「イリスさん!逃げますよ!!」


私はADの方やディレクターさんと共にその場を逃げ出しました。


ーーーーーーーーーー





時同じくして、信之は探知魔法について調べていた。


2週間前に信之は探知魔法を使用し、ゴブリンを確認する事が出来たが、考えてみたらどの程度の範囲まで探知をかけることが出来るのか気になっていたのだ。


「どの程度広げることが出来るんだろうなー。そもそも広げるって言うのはどのような感覚で広げれば良いのかが分からないな。」


そう言いながら、SNSを見る。SNSを見たのは探知魔法の為ではなく、何か面白い情報や呟きがないかを確認する為に見たもので、本当に偶然だ。


「ん?イリスちゃんが撮影で代々木公園に来てるのか。代々木かー。そこまで探知行くものなのかな?」


SNSの呟きをみて、取り敢えず代々木公園まで探知が可能か試してみた。


「んー。駄目だ、ここら辺しか探知できないな。狭い範囲しかできないのか?あ、スマホのマップ見て代々木の方向が分かれば探知できるかな?」


信之はマップを開き代々木公園で検索する。現在地から代々木公園の場所の大体の方角は分かったので、それを頼りに探知を行ってみた。


「おー!どんどん範囲広がっていく!うんうん、場所も分かるぞ!凄いな探知魔法!…お!ここが代々木公園…ん?これ…ゴブリンか?!イリスちゃんまた襲われてる!しかも複数か!」


代々木公園を探知してみたところ、4体のゴブリンが出現しており、イリスとその周りの人を襲おうとしているようだ。


「んー、一度助けた人が殺されちゃうとか夢見悪いし、イリスちゃん綺麗だし、助けに行くか。…魔装召喚!」


信之はイリスを助ける事に決め、テレポート*でイリスの元へ向かうのであった。

(* テレポートは、長距離を距離に応じた長さのキャストタイムを経て発動が可能。瞬間移動は、短距離をキャストタイム無しで発動が可能。)

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