第11話 夜の戦闘ッ!!
六本木に着き、適当にぶらぶら歩くと、小洒落た店を発見した。
「お、ここ良さそうだな。店内の写真あるけど落ち着いてそうだし、ここにしよう。」
店に入ると、少し薄暗いオレンジ色の光で照らされており、仕切りは無くかなりオープンな作りになっているようだ。
静かな印象があったが、どうやら女子会をやっているようで女性が数人いて騒いでいた。年齢は20代前半のように見受けられる。
「うーん。本当はもっと静かなところが良かったんだけどなあ。今からお店変えるのも面倒だし、ここでいっか。」
とりあえず、飲み物とツマミを頼んだ。
店に来たのはいいが特にやることがなかったので、引っ越す為の物件探しや必要書類等をスマホで探していると…。
「ねえねえ、あそこの人かっこよくない?」
「うんうん、思ってた。なんか雰囲気イケメンな感じしてるよね。」
「体型もがっちりしてて筋肉凄そう!」
「ちょっと話しかけてみる?」
「いや、恥ずかしくない?」
「じゃあ、私話しかけてみる!」
「「「いってらー!」」」
という声が聞こえた。
恐らく通常の人であれば聞こえないほどの声だと思うが、信之はレベルアップしているせいか、耳もかなり良くなっていた。
(え、ちょっと待って。来るの?いやいや、何話していいか分からないんだけどー?!
若い女の子怖いんですけどー?!)
顔はポーカーフェイスを保っているが、内心はかなりヤバい状況だ。
カ〇ジで言うと、ぐにゃぁ~状態だ。
「おにーさん、今お暇ですかー?私と一緒に飲みませんか?」
話しかけてみると言っていた女の子がこちらに来て話しかけてきた。
女の子は暗めの茶髪でストレート、髪の長さは後ろ髪が肩甲骨辺りまであるようだ。目は少しツリ目だが大きいのでそこまできつい印象は無い。体型は標準で胸はBカップ程だろうか。
ちなみに信之はこの情報に至るまでに要した時間は0.2秒だ。さすがはレベルアップ。
無視するわけにも行かないので、取り敢えず挨拶を返す。
「こんばんは。暇していて、ちょうど誰かと飲みたいなと思ってたんだ。一緒に飲もう。」
人生で1番イケメン風を装ったのではないかと思うくらい紳士的な雰囲気を出したつもりの信之。
女性は嬉しそうに隣に座り、世間話をしていると、女子会している方から声が聞こえてきた。
「うわ、あいつ上手くやってんじゃん!」
「うらやま!あたしたちも行く?!」
「行きたいけど、アイツめっちゃこっちに来るなって目してるよ…ウチらは適当に飲んで帰ろっか。」
「えー!ならどっかハシゴしようよ!次の店でいい男捕まえよう!!」
と、声が聞こえてくる。さすがに誰でも聞こえるような声量で言うのはやめて欲しいところではある…。
1時間ほど飲んでいると、女性は結構出来上がってしまったようだ。
「えへへ〜!お兄さん、筋肉しゅごいですね~。ムキムキ〜。」
「えっと…そろそろ出ようか。お友達ももう帰っちゃったようだし、送るよ。」
「えー?送ってくれるんでしゅか~?私まだ帰りたくないんでー、ホテルでもいいんですよ~?」
上目遣いでこちらをチラチラと見てくる。
これは誘われてるな…。
据え膳である。
信之は近くのホテルを探し、タクシーを呼び2人でホテルに向かうのであった。
「…すー、すー。」
目が覚めて横を見ると、お店で出会った女性が裸で気持ちよさそうに寝ている。
「凄かった…。俺があんなにも女性を喜ばせることができるとは…スキルさまさまだ。」
実はメタルヒュージスライムを狩っている際に、信之は気になるスキルを4つ取っていたのだ。
・ビッグマグナム
・性豪
・イケメン
・弱点看破
ビッグマグナムを取ったことにより、通常の人の2分の1程度であった自信のない愚息は、通常の人よりも大きくなった。
また、性豪により複数回であっても衰えることは無い。
イケメンのスキルは異性がこちらを見た時に、通常よりもカッコよく見えるよう補正されるスキルだ。
弱点看破はその名の通り弱点を看破する。これは通常の戦闘中でも、夜の戦闘中でも使えるようだ。この弱点看破により、女性をかなりの回数昇天させることが出来た。
「スキルのおかげとはいえ、男として凄い自信がついたわ。さて、起きちゃう前にホテルを出ようかな。」
ベッドに付いている机の上に、ホテルの宿泊料金以上(タクシーで帰ることを考慮して)のお金を置き、ホテルを出た。
「もう朝方だな。今日は土曜日だし、土日で家の片付けしながら物件決めるか!」
土曜なので仕事も休み。家の片付けをする絶好の機会だ。レベルアップのおかげか、そこまで寝なくても体に問題は無さそうだ。
家に帰り、片付けと物件探しを行い、そこから3週間が経った。
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