第7話 2層は福沢さん…だと…。
扉を開け、洞窟を抜けるとそこは真っ白な銀世界だった。
「どうなってんの…。地下の洞窟抜けたと思ったら、空があって、雲があって、雪が降ってる…。ファンタジーにも程があるよ…。」
そのフィールドは雪に覆われており、かなり寒い。それも当然で信之の格好は春用であり、結構風通しの良い服を着ているのだ。
風はほとんど吹かないのだが、何せ雪が降るほどの気温なのだ。風が吹かなくても寒い。
「ここに来る時は厚着してから行かないとな…。おや?なんだろうこの石…。」
信之は洞窟の出口付近に、1メートル程の高さがある石を見つける。
その石は青色に発光しており、信之は不思議に思いながら石に触れる。
「うおっ!」
触れた瞬間信之の体は輝き、一瞬意識が飛ぶ。
「ここは…1階層の経験値の間?」
目を開けた信之が確認したのは、青い空、白い雲、草原の中だった。また、周りを確認するとすぐ近くに地下へと続く洞窟があった。
「なるほど、あの青い石は1階層へのショートカット的なものか。ということはもう一度触れると2階層に移動できるのかな?」
独り言を呟きながら、再度青い石に触れる。
「さむっ!!…やっぱり、2階層か。これなら洞窟渡る必要ないから楽に移動できるな。」
便利な移動手段を見つけてモチベーションが上がった。ちなみに、青い石は鑑定しても名前が出なかった為、名前をつけた。
名前は「直行直帰」だ。
センス無いとか思わないでね。
「…さて、2階層の探索でもしてみるか。」
直行直帰の使い方がわかった信之は、家からコートを持ってきて2階層の探索を始める。
「どんな敵がいるか楽しみだ。…ん?あれは?」
探索していると、目の前に大きなメタルスライムが見えた。
「まさか…これは…あの有名なキングなのか…!!鑑定!!!」
キングへの期待感が最高潮に達した信之は鑑定を行った。
ーーーーーーー
(名)
メタルヒュージスライム
(概要)
メタルスライムが突然変異したもの。メタルスライムと違ってのしかかる攻撃を行う。重いので危険。
メタルキングだと勘違いした人間は、某ゲームのやり過ぎ。
ーーーーーーー
「……なんじゃそりゃー!!!」
しっかり某ゲーム脳な信之であった。
「スラッシュ!!…よし、倒したぞ!」
メタルヒュージスライムはそこまで強くはなかった。
攻撃もしてくるし、それなりに体力は多いように感じたが、素早さがとても遅いので当てやすいし避けやすい。
「見えるぞっ!私にも敵が見えるっ!!」
とか
「ニュー信之は伊達じゃないっ!!」
など言うほどの余裕はあった。
だが、そんな余裕はメタルヒュージスライムを倒すまでだった…。
「ドロップが…諭吉…だとっ…!?」
信之は複数のメタルヒュージスライムを倒し、1万円が確定ドロップだということを確認し狼狽える。
「おいおい…これもう働く必要ないでしょ…。あ…仕事辞めよぅ…。」
1日1体倒してそれを20日やるだけで20万と考えた信之は、仕事を辞める決心が着いた。
「明日出社したら退職の話をするとして、今はステータスだな!」
ーーーーーーー
平信之
職業 剣士
種族 デブを卒業せし凡人(筋肉質)
Lv 30/30
HP 500
MP 115
ATK 260(325)
DEF 128
INT 39
AGI 46
スキルポイント 600 →1400
スキル
「鑑定」、「獲得経験値増加Lv1」、「スラッシュ」、「十文字スラッシュ」、「バックスタブ」、「攻撃力増加Lv1」、「異次元収納」
転職が可能です。
ーーーーーーー
「そういえば、転職しないでスキルポイントが貯まるかを確認しようとしたんだった。結論として貯まってるな。」
スキルポイントが貯まることを確認したが、1つ気になることが出来た。
「これ、転職したらポイントって無くなるのかな…。転職したらポイントが無くなるかの検証もしてみるか。リスクを減らすためにある程度ポイントを使っとくか。」
スキルポイントを使ってスキルを取得した。
ーーーーーーー
平信之
職業 剣士
種族 デブを卒業せし凡人(筋肉質)
Lv 30/30
HP 500
MP 115
ATK 260(325)
DEF 128
INT 39
AGI 46
スキルポイント 1400 →150
スキル
「鑑定」、「獲得経験値増加Lv2」、「スラッシュ」、「十文字スラッシュ」、「バックスタブ」、「攻撃力増加Lv2」、「異次元収納」、「シールドアーマー」、「剣技Lv1」
転職が可能です。
ーーーーーーー
新しくシールドアーマーと剣技のスキルを取得し、獲得経験値増加と、攻撃力増加のレベルを1上げた。
「獲得経験値や攻撃力増加は良いとして、シールドアーマーがどんなもんかだな。よし使ってみるか…。…おぉ!なるほど、こんな感じか!」
シールドアーマーを使用すると信之の周り、前方に1、後方に1、側方に2つの4箇所に光のシールドが出現した。
そのシールドは信之の周りを回転しており、敵の攻撃を防いでくれそうだ。
「このシールドがどのくらいの耐久性があるか分からないな。その検証は敵と戦って確認するとしようか。その時に、剣技や攻撃力増加、獲得経験値増加についても確認できるしな。…よし、ヒュージスライム倒すか!」
スキルの確認をする為、信之はメタルヒュージスライムを探し、倒していくのだった。
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