生きるとはどういうことか 肉体か 精神か

 主要人物は二尋とフタヒロ、そして恋人のユキ。
 二尋の恋人ユキは、ある日目の前の二尋に違和感を感じます。
 顔も声もしぐさも二尋そのもの。でも何かが違う。
 尋ねるユキに目の前のフタヒロは驚くべき事実を告げます。二尋は『精神を仮想現実に移植する』国家極秘プロジェクトのために自らの脳を実験台としたと言うのです。代わりに二尋の肉体に移植されたのが『人工知能』であるフタヒロ。
 ユキは愛する人が遠いところに行ってしまった事を知りショックを受けます。 
 けれど目の前のフタヒロは二尋の記憶を保持しており、肉体は二尋そのもの。混乱しつつも人工知能のフタヒロと過ごします。
 フタヒロは人口知能として、あらゆるデータをベースにユキのことを理解しようとしていきますが、だんだんとデータでは分析しきれない感情に目覚めていきます。
 ユキは二尋とフタヒロを分けて見つめながら、二尋への寂しさを募らせ、フタヒロへの愛情に戸惑います。
 
 恋はどこでするのか? 心? 体? 頭脳? 

 様々な問いかけをくれる物語です。

 国家プロジェクトの行方、二尋とフタヒロの行く末、ユキの恋のその後は。
 実験の中心人物の教授や、実験を手伝っている学生など、色々な人々の思惑も絡み合い緊迫感あるドキドキの展開です。
 
 こちらの作品、『ハーフ&ハーフ』と言う企画参加作品のため、毎週出されるお題に応えつつ物語が展開していきます。お題への答えと、骨太な物語、どちらも同時に楽しめる素晴らしい作品です。是非みなさんも読んでみてください。

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