第39話

「彼女が欲しい」元樹が突然そんなことを言い出した。


「おいおい何を馬鹿なことをまだ学生生活は始まったばかりだぜ」


「翔はあまーい!そんなことじゃ高校3年間彼女できないぞ」


元樹の言葉がグサッと心に何かが刺さった。


「お前には秘策があるのか彼女を作る秘策が」


「ふふふズバリ。ナンパだな」


「また元樹が変なこと言ってる」と恭一が言った。


「いや案外的をいてるかもしれない」俺は真面目に答えた。


「は?翔これやる気?」


「ああ。ヤろうナンパを」


「なんか違う文字も混ざってなかった」


「気のせいだ」


「んじゃあ今週の土曜に街にまで出ようぜ」元樹が言った


「ええ本当にやるの!」


「当たり前だこの前の練習を活かしてヤってヤってヤりまくるぞ」


「最低だ」そんな突っ込みを入れる恭一。


土曜日


朝俺はそこそこ髪型を整えて出かけた。


「あんた何をしてんの?」と母にいわれた。


「ナンパするために髪型整えてる」と答えると。


「あはははははあんたがナンパあはははは」


「そんな笑うことないだろ」



「でもぷはははははは」


俺は逃げるように家を出た。それにしても笑いすぎだろ。



待ち合わせに行くと恭一がいた。

相変わらず真面目だな〜と思いつつ挨拶した。


「よう。早いな元樹は?」


「翔、やっときた。元樹はまだ来てないよ。二人とも適当だから遅れるんじゃないかと思ったよ」

失礼な。俺はそんな男じゃない!と思う俺であったが自信がなかったんで否定しなかった。


「元樹大丈夫かよ。あと十分で電車がくるが」


「本当だね」


十分後

「元樹は電話にでないのか?」俺は聞く


「ダメみたい。繋がらないや」


「よし。仕方ないおいて行こう」


「ええ!いやでもー」


俺は恭一の肩を置き言った


「来ないやつが悪い。どうせ次の電車で来るだろ?」


「ひどい。呼びに行った方がいいんじゃないの?」


「大丈夫だろ。多分ケロッとして来るだろ。先に行って映画でも観ればちょうどいい」


「いや、そうかな〜」心配そうな恭一


「電車も来たし行くぞ」


「あ!待ってよ〜」


電車の中で


「本当に置いて行っていいの?」


「大丈夫だろ。多分一応メールでも打っておこう」


『先に電車で行ってるぞ』


「本当に大丈夫かな」


「なんだかんだ言っても時間守んないのが悪い。お!○んちゃんの〇〇帝国やってんじゃん観ようぜ」

俺はガラケーで調べていた。


「もう元樹のこと忘れてるし」


「そんなことよりもオラ映画見たいぞ〜」

し◯ちゃんの真似をしながら言った。


「再現度高!!」

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