第25話

その日、朝教師が朝入り天野の顔をみてアザが出来ているのを気付き話を聞く様子をしたがすぐに解放された。


(まぁこれが初めてだしな教師もあまり深く聞けないか)


昼休み俺は恵を探していた。


「居たな。」


ポッツンと一人で裏庭にいた。


「おーい。恵今日は一人か?」


「そうだけど何?」何だかご機嫌斜めだな。


「何だ天野と喧嘩か?」


「そうだけど何?」ありゃありゃこりゃあ本格に喧嘩だな。


「ところだけど天野はどうだったんだ?」と聞く俺


「知らない!」ああ〜意固地になってる


「俺が言うのもおかしいが今のうちに友達は大事にした方が後で後悔するかもしれないぞ」


「何よ後悔って?そんなすぐに春香がいなくなるわけーえ」とそこで気がついた


「まさかいなくなるわけ?」と不安そうに聞く恵。


「わからんだけどそうかもしれない」と言う俺


「詳しく話しなさいよ!」


「わかった。わかったから。昨日ー」俺は昨日の夢の話をした。


「偶然とは思えないわね」


「恵何か天野について何か知らないか?」


「知らない訳じゃないけど思い当たらないことはないわね」


「それは何だ」


「他言無用よ。春香は、父子家庭なのよ」


「何でそれが原因なんだ」俺は疑問をぶつけた。


「・・・ここ数年塞ぎ込みがちらしいわ」


ああなるほど父親が子供を巻き込んで仕舞うこともあるか。父親母親関わらず親子の巻き込みや自殺や他殺と言った死が世の中溢れている。

世の中理不尽に溢れている。過去の俺もそんな理不尽な世の中から立ち直れなかった。

世の中が悪いんじゃない。単に世の中に馴染めなかったりその厳しさからほんの少し立ち止まって動けなくなってしまっただけである。彼女父親もそんな一人だろ。


「翔大丈夫?」と心配そうに恵が言った。


「ああ。大丈夫だ」と言う言葉に少し安堵してる様子だった。


まぁ俺の過去がいや未来が知っている彼女に心配をかけてしまったらしい。


「そんなに心配しなくても大丈夫だぞ」と俺は頭をなでながら言った。


恵が驚いた様子だった。


そして「そ、そんなことしていいのはイケメンだけなんだから!」と言われてしまった。


「ふ。そうだなイケメンだけだよなー」としんみりしながら言う俺。


「・・・本当に大丈夫?」と言われてしまった。


しまったな昔のこといや未来のことを思い出してしまいしんみりしてしまったなー


「そんなことより今は天野のことについてだ」と俺は無理やり話を変えた。


「他に要因はないのか?」


「私はないわねーそっちはないのかしら」


「ないな。そもそも最近まで名前さえ知らなかった。」


「そういえばそうだったわね」


「天野の家は知らないのか?」


「知っているけどまさか行く気?」


「できればな。いや絶対に行った方がいい気がする」


「そうね。私もその意見には賛成かも」


「今日の放課後でいいか?」


「多分大丈夫だと思う」


「んじゃあ行ってみるか」


俺たちは天野の家に行ってみることにした。

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