第22話

ある放課後


「ちょっと今日暇?」と幼馴染から誘われる。


「ああ、空いてるがデートの誘いか?」と俺は言った。


ふ、決まったな。


ざわ ざわ ざわ


「ちょっと適当なこと言わないでよ!本当に付き合ってることにされるでしょ」


俺はそれでも構わないが


「俺はそれでもいいみたいな顔しないで」


「なぜに心が読めるエスパーか?」と問いに


「あんた顔に出やすいわよ」


「嘘だろポーカーフェイスのつもりなんだが」


「それでポーカーフェイスのつもりなら改めなさいよ。バレバレよ」


う、嘘だろ


「嘘じゃないわよ」


「心の声に返事しないでくれ。ところでなんだ?」


(あんたの未来の話あんまりしてないでしょ)


(ああ。そういえば)


(色々聞きたいから私の家でいいの?)


(構わない)


むしろそっちの方がいい


(エロい顔になってるわよ)


(なってない)


「まあ、いいわ行きましょう」


「あれ翔今日は相川さんと帰るの?」と恭一が聞いてくる。


「そうだなちょっとした用事があってな」


「そう。じゃね〜」


「では、行きましょう」


「そういえば天野とは帰らないんだな」と俺は聞く。


「春香?そうね。バイトがあって忙しい日もあるからね」


「ああ。何だか毎日バイトしてるよなー体壊さなぎゃいいけど」


ズズ 頭ズキンとする


何だかデジャブを感じる


「どうかしたの?」


「いや、何でもない」と言い幼馴染の家に向かう


「そういえば天野の家は少し貧乏なのか?」と聞く。


「んーそうね。あまりよく聞いてないけど父子家庭らしいわよ。何で?」


「よく半額シールを貼ったやつ買って帰るからなー」


「へぇーそうなの?」


「自炊なのか?」


「そうみたいお弁当とかも自分で作ってるみたいだし」


「はえーえらいな」


「あんたも見習いなさい」と言う。


「俺もたまには自分で作ってるぞ」


「え、う、うそ!」心底驚いたように言う。


「嘘はついてないぞー」


「ていうか料理出来んの?」と聞いてくる幼馴染。


「できるぞー20年間近く自炊だったからなー」


「そういえば未来から来てたのよね」


「そういえばって忘れてたのかよ」


「忘れてはいないけどその実感がないだけ」


「そうか」


「そういえばあんたのいたところの日本とかどうなっていたの?」と聞いてくる。


「日本の状況?」


「そう」


「そういえばどうなってたんだっけ?」


あれほんとどうなってズズー


「う、痛」と頭を抑えて倒れ込む俺。


「ちょっとどうしたの大丈夫?」恵が心配そうに覗き込む


「少し頭が」


「もうちょっとで私の家だから我慢しなさい」としんどそうに歩いて幼馴染の家にたどり着く。


「ほら。着いたわよ。早くあがんなさい」と幼馴染の部屋に上がる。


「お邪魔します」と言い


幼馴染の部屋に入って倒れ込んでしまう


「ちょっと!大丈夫?」と心配そうにいう。


「すまん、横になる」と横になって休んだ。


「そんなこといいけど大丈夫?」


「大丈夫だ」

と数分後俺は驚くほど回復した。


「もう大丈夫なの」と幼馴染から可愛く言われた


「そんな可愛く心配しなくてももう大丈夫みたいだ」と茶化すように言った。


「その様子から大丈夫そうね」


スルーかよ


「それで話せそう?」


「ああ多分大丈夫だ」


「未来のこととか覚えてる?」


「多分大丈夫だ」


何だったんだろうあのデジャブ感と吐き気

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