第16話

「そういえば二人はどんな部活にするの?」と天野さんが聞いた。


「僕は翔が言った科学部にしようかな」


「科学部?」


「翔がね。あまり部活しなくても怒られない半帰宅部って言っていたから」


「適当ね。もう少しちゃんとした部活にしたら」呆れるように恵は言う。


そりゃあ某アニメのナントカ団とか音楽をしないでティータイムできる部活があるならもしかしたら入るかもしれないがそれはないしなー当たり前だが


「俺たちはそんな感じだが二人はどんな部活にするんだ」


「特に決めてないわよ」


「私も〜」


「お前よくそれで俺たちのこと言えたな」


「だって考えてないでしょ」


「全く決めてないよりマシだ。」


「まぁまぁーそういえば二人は中学の頃どんな部活してたの?」と聞いてくる天野さん。


「僕はテニス部」


「俺はサッカー」


「え、二人とも運動部だったのに入らないの?」


その問いに俺たちは苦笑する


「「正直飽きた」」


「飽きたってねえ。飽きるほどやってないでしょ!」


「中学三年やってダメだったんだからもう高校ではいいかなと」


「しょうもない理由」呆れるように言う恵


あははと苦笑する天野さん


「そういう二人はどんな部活してたんだ?」


「私たち美術部だったの」


「そうか。二人とも美術部には入らないのか?」


「いやー私はどちらでもいいかなー」


「私もよ」


「いやどちらでもってあまり美術部には未練ないのかよ」


「ないわね」


即答しやがったこの女


「そろそろ科学部の部室だよ」


「結構いるな」


「多分このほとんどが幽霊部員ということね」


「そうだね〜」


と科学部ではありきたりな部の説明を聞き帰った

それぐらい説明することがなかった。


「あまり面白いことなかったな。柔道部ぐらいいじり易かったらよかったのにな。」


「そうね」


「お前らな〜」


「おう。元樹どうだった柔道部は」


「なかったことにするんじゃねえ!」


チッ誤魔化せないか


「でも、どどめをさしたのは恵だぞ」と恵の方に視線をやる。


(後で覚えてなさいよ)


「だって本当のことでしょ」とキッパリ言う


「ぐ。でも言っていいことと悪いことぐらいあるだろ」と胸を押さえながら元樹は言った。


「それにあなたも少なからずそう思ってるでしょ」


「う」


「それに実際汗くさくて暑苦しかったんだから仕方ないでしょ」


「ぐあ」


容赦ねえこの女。


「でも、全員がお前と同じ意見とは限らないだろ!」


まだ言うか元樹。


「そうねだったらもう一人の女性の意見を聞きましょう」


視線はもう一人の女性天野春香に注がれる


「ええ!私!えーと!」


焦る天野さん


「ほら。男らしいカッコいいし憧れるなー」


(((逃げたな)))


それを聞いた元樹は


「女神や〜女神が降臨した」危ない宗教みたいなこと言い出した。拝むな。


めんどくさいことになった。


そこで俺はこんなことを言い出した


「これからもよろしくな女神様ww」


「そうねこれからもよろしく女神様w」


「ちょっとみてないで止めて!」


「女神様万歳。万歳」


「本当にやめてー!」


「何だこれ」恭一突っ込む


こうして俺たちの部活見学はなんの収穫もなく終わった。


そして結局四人科学部、元樹だけ柔道部になった。







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