第11話

俺はスーパーに来ている。


なぜなら夕飯を作るためである。


まあそれ以上に親孝行をしたかったからである。


前の俺(未来の俺は)あまり親孝行しないで母親が旅立ってしまったからな父親は病気でいないが母親くらいはと思い今日夕飯を作る次第である。


今の俺は後悔を残したくない。後悔だけ残したあの人生。今回はそれを少しでも解消するためにスーパーに来ている。


料理はできるか?ってもう約二十年独り身だから少しくらいできる。


「さて、どんな物を作ろう」


今から作れるのはハンバーグと味噌汁とサラダくらいだな。


材料を買いスーパーを出ようとした時


友人2人あった


「おう、買い物か?」と尋ねる元樹


「そうだなたまには親孝行と思って晩飯でも作ろうかなと思ってな」


「明日は大雪だね」とからかうように言う恭一


「そうだそうに違いない」


失礼な奴らだ。そんなに珍しいか?いや珍しいか。学生の頃は全部親に任せきりだったからなー


「まぁなたまには親孝行しないとな」


「何だよそれ」


「本当にどうしたんだい?」


「どうもこうもそのままの意味だお前らも早めに親孝行しろよ」と肩を叩き俺はスーパーを後にした


「どうしたんだ翔は?」


「今日は様子がおかしかったけど大丈夫かな?」


家に着いて俺は料理をしようと台所に立って料理をしている時に弟が帰って来た


「何してんの兄貴?」


「んー颯太か?たまには親孝行をしないとな」


「はぁ?兄貴大丈夫か?」ブルータスお前もか


「いいだろたまには」


「本当大丈夫か?」


「しつこいぞーこいつ」と軽く小突く


とそこに母さんが帰ってきた


「ただいま。んいい匂いねえ?」


「ああ母さんおかえり」


「翔何してんのよ?」


「料理」


「それはみればわかる」


「聞いてよ母さん兄貴が親孝行に料理だって!」


ピタと額に手を当てられてしまった。


「んー熱はないようだね」


「もうそんなに俺がやるのが珍しいかよ」


「「珍しい」」


は、ハモリやがった。まあこればかりは仕方ない日頃の行いだ。


「まあいいだろ料理できるまで待っていてくれ」


その後、料理を出したら


「「う、うまい!」」


と驚かれた。しまいには


「まともなものが出てくるとは思はなかったよ」と言う弟。


「こんなまともな料理ができるなんて明日は大荒になるわね」という母さん。


俺は一言いたい「泣くぞ」と。

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