第2話

朝起きたら部屋が綺麗になっていた。


「いつもは酒瓶や酒の缶が転がっているのだが恵が片付けたのか?」


それにしては懐かしい部屋の形、匂いだった。


「翔起きろ!」???


恵か?と思ったが違う女性だった。


起こしにきたのはなんと既に他界した母 狩野桜子(かのさくらこ)だった。


「これは夢か?」


「何いつまで寝ぼけてるんだい」


「あんたは何者だ」と睨み付けながら言った。


「はあ?いつまでも寝ぼけてないで起きなさい」


起きて食事をいつもするコタツがあるテーブルに向かうと。


死んだはずの弟狩野颯太かのふうたが飯を食っていた。


「マジかよ」と驚いたものもひとまず飯を食うために座った。


そしたら「おはよう」と弟が言った


そしておはようと言い飯を家族3人揃った時に


「「「いただきます」」」と言い3人でご飯を食べ始める


俺は一口食べるとポロッと涙が出た。


ああこの懐かしい味だと思った。


「なんで泣いてんで兄貴」


「いや、ただ欠伸あくびが出ただけだ」と誤魔化し


「そういえば今何年の何月何日だっけ」


「20XX年の4月XX日よ何言ってるの?エプリルフールは終わったじゃない?」と母は言った。


ご飯を食べ終わると急いで自分の部屋に行き状況を整理し始めた。


どうやら俺は高校1年までタイムスリップしたらしい


まさかどこぞのラノベ主人公みたいになるとはと自分でもしみじみ思う。


でも、俺には心当たりがある幼馴染みの相川恵あいかわめぐみだ。


あいつ以外犯人はいない。いや犯人と言う言い方もおかしい。


むしろ感謝してるぐらいだ。お礼を言いたいぐらいだ。


いや、言わなきゃならんと思い。


スマホを探すがみつからない。


「あれ?おかしいなスマホどこだ」と探していると


テーブルにガラケーが置いてあった。


「そういえばまだガラケーの時代だったな」


ガラケーを二十数年触ってないやばいなと思って触ってみると何気に操作でき電話帳を開いたら


なんと見事に女子の電話番号が母親しか入ってなかった。


「そういえばこの頃だろうな恵と話さなくなったのも」


よく仲良くしていた幼馴染が疎遠になることも珍しくない年頃であるよくある話である。


「兄貴そろそろ出るけど鍵閉めていけよな」と言われた。


やばいと思い制服に着替え高校に急いで向った。

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