第2話 Epilogue:カシム・ハサネイン大佐の隊務記録
■日時:2321年5月22日
■記録者:セレーネ部隊 第1旅団長 カシム・ハサネイン大佐
本日はセレーネ本部基地において、先日の第27号襲撃事件の最大の功労者の少年ヒロヤ・アカホシの入隊手続きが行われた。
私がアカホシ隊員と話をしたのは、彼を寮に案内する傍ら、我が軍の目的や現状、玉兎の民についての説明を行った際だ。
私の評価としてはアカホシ隊員は素直で礼儀正しく、純粋な印象を与える16歳の学生だ。
まだ自分に自信がないようだが、一早く自信をつけてもらいたいというのが私の考えだ。
癖の強い人物が多いルナベスティアの戦士たちの中でも中心的存在として活躍してくれることを期待している。
私は予定通り、第4号ルナベスティア玄鳥姫の戦士、チドリ・スミルノフ隊員にアカホシ隊員の指導担当を命じた。
アカホシ隊員に次の指示までの待機を命じた後、私はセレーネ将校らと共にヘカテー基地の兵器開発室本部を訪問した。
第3号ルナベスティアのデータを元に進められていた汎用ルナベスティア開発計画は一時は武装の火力面の開発で滞りを見せていた。
しかし、第27号種の卵鞘から得られたデータを元に、滞っていた同プロジェクトはまた軌道に乗り始めた。
2321年末までに予定していた我が軍オリジナルとなる、対侵略者兵器ルナファミリアの量産計画は順調のようだった。
本軍作戦本部に戻った後、私たちは今後、我が軍の主力となる兵器の台頭とそれに伴う部隊の再編制、有望な新規隊員の登用について、議論を交わした。
軍とは名ばかりで、実情は師団規模の我が軍の増強はかねてからの優先事項であったためだ。
新規隊員については新たに募集をかける他に、月面連合軍からも志願兵を募るということでの結論となる。
その後はセレーネ本部基地に戻り、各隊員の隊務書類の確認や書類作成を行い、本日は隊務終了となった。
以上。
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