第1話 Epilogue:地球奪還作戦軍の報告資料

◆表題:侵略者第27号ロンウェーの襲撃と第5号ルナベスティア火光獣の起動確認について

◆日付:2321年5月21日

◆報告者:地球奪還作戦軍第2部隊 ジェイコブ・シーモア准尉


西暦2321年5月16日。地球奪還作戦軍第2部隊セレーネ(以下セレーネ)が地球より持ち帰った、侵略者第27号種ロンウェー(以下第27号)の卵鞘を月面連合軍基地第1研究所にて保管。

解析の結果、内部に200以上の有精卵を確認。

有精卵の中から発生途中の第27号の幼体を検出。

幼体の解剖の結果、幼体にはまだ不完全な核が含まれていることが判明し、損傷箇所の修復に2~3時間ほどの時間経過を要することを確認。

対侵略者兵器の開発を念頭に、今後の研究材料として引き続き研究を行うことが決定する。

卵鞘は地球奪還作戦軍第3部隊ヘカテーの厳重な管理下のもと、冷凍保存される。


同年5月21日17時18分。月面第7居住区に第27号の成体が出現。

居住区を襲撃し、民間人計126名の死者と71名の行方不明者を出す。

月面への侵略者の襲来は初の観測であり、第27号の目的は卵鞘の回収にあったと推測される。

地球奪還作戦軍及び、月面連合軍に出撃要請が下る。


同日、17時51分。居住区にて第5号ルナベスティア火光獣(以下火光獣)の起動を確認。

およそ12分に及ぶ交戦の末、火光獣が第27号の核を破壊することに成功。

火光獣には第7居住区の暁学園高等部に通う16歳の少年A並びに玉兎の民の少女が搭乗していることを確認。

同日、21時05分。セレーネ幹部らは少年Aの保護を兼ねて接触を図ることを決定した。

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