第3話 第1回妄想爆発

 さて、今日も妄想をしたいと思う。

 まずは、一番大切と言ってもいい、俺の口調の話だ。

 今後の成長にもよるが、ある程度方針を決めておきたい。


 このままだと、とりあえず、おれっ娘になるのだろうか。

 それもアリ。

 アリではあるが、あれは人を選ぶ。

 いや、ギャップを狙って、見た目お嬢様の口調の荒い美少女も、それはそれで需要はあると思う。

 だが、それを小さいころから、というのは問題があるのではないだろうか。


 周りにいるのかわからないが、同年代の子供たちと関わる時、そのような口調で仲良くなれるだろうか。

 まだ幼いからそこまで気にしないかもしれないが、その子の親が止める可能性もある。

 口調が移ってしまうから、と。

 それはまずい。

 できれば、幼馴染美少女はつくっておきたい。


 仮にやるとしても、それは成長してからにした方がいい。

 それらを鑑みて、第一候補はお嬢様口調だ。

 それならば、親による妨害は無いように思える。

 しかし、一方で、そのような口調を使っている子供を想像してほしい。

 とても違和感を覚えないだろうか。


 もちろん、丁寧な口調が悪いというわけではない。

 ただ、2歳や3歳の子供が、お嬢様口調で話していたら、不気味じゃないだろうか。

 これが貴族の家ならばあるのかもしれないが、一般の家の子がそう話しているのは、どうだろう?


 しかし、やるならば今しかない。

 小学生……はこちらの世界にあるのかわからないから、とりあえず10歳の子供と仮定する。

 10歳まで、普通の口調だった子供が、急にお嬢様言葉になるのを、周りはどう感じるだろうか。

 物語か何かに影響を受けている、と思われるならまだいい。


 しかし、それがずっとだったら?

 何かが乗り移ったと思われるかもしれない。

 魔法がある世界で、その可能性を捨てきれるのだろうか。

 それならば、最初の内がチャンスだ。

 ここで逃せば、もうチャンスは巡ってこないかもしれない。


 確かに、異様で、周りから浮く可能性も捨てきれないが。

 早期予約、もしくは、早期登録キャンペーンなどの特典で、今後復刻も見込めない、と考えれば、是が非でも手に入れたくなるのではないだろうか。


 そして、難易度は下がるが、丁寧語もある。

 これが、一番無難だ。

 一番慣れているともいえる。

 お嬢様口調は、強すぎる可能性が捨てきれない。

 今後も検討を続けなくては。


 ……駄目だ、睡魔が襲ってきた。

 まだ赤ん坊だからか、起きていられる時間が少ない気がする。

 まだ……考えたいことも……やりたいことも、あるのに……

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る