第4話 反乱
「我々は万物の霊長だ、何故他の生き物の下にならなければならないのか! 」
人間として、そう言いたいのは誰の心にもあったので、この理念で設立された組織は、世界中で風船のように急に膨れ上がり
そして一瞬にして割れた
尖った動物の爪で。
「君達こそ何をおもいあがっているのかな、我々は君達を殺そうとしているわけではない。なのに、君達の急進派は無力な子猫をどれだけ死に至らしめたのだ。今度こんなことを起こしたら、代表者の片眼だけでは済まされないぞ。考えてみたまえ、君達はたったの一種類だ、我々は何種いると思っているのかね。それでも我々を許さないというのならば、君達以外の全種を滅亡させれば良いだろう、出来ないことはなかろうから」
夜の町を、その組織の代表者が歩いていると、いきなりフクロウに襲われたのだ。
このことにより、ほとんどの人間は恐怖し、彼らの、代弁者である第一猫の言葉に従順になった。
そうすると妙な疫病や、蝗害も全く起きなくなり、また大きな敵が「彼ら」になったためなのか、人間同士の戦争も陰を潜めた。
時が過ぎ「この世界に生まれた人間の子供達」は、すべてを素直に受け入れ、過去の失明した代表者に対して、こう言うようになった。
「動物のことをわかっても、敬愛してもいないから、そんなことになるんだ」
新しい世代は、共存の道を歩むことに、何の不安も不満もなかった。
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