鶺鴒

鶺鴒まなばしらあども率行ゐゆあれはもそろもそろにかれづべみ



◇短歌




 不二を見むと、と共に富士見の丘を登れば、坂に鶺鴒まなばしら降りきたりて、一聲二聲佳き聲に啼きて、が行く先をあどもふ如くに進み行くを、と目を合せて、いたしとて、したがひ行くに、かれに近くば人をぢて去るべけれ、近付くべからずとて、もそろもそろあのとしづに寄らず離れずらえて行きき。

 そを歌に詠む。

 が詠めるは先に示せる如く、の詠めるはくの如し。


セキレイがひょっこり歩く坂道を二人こっそりついていく

そろそろとセキレイの後ついていくこわがらないでゆっくりいくよ


 吾人われらうらままなるはの歌ならむか。






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