高窓の戸のるなり風のむた舞ふ舞ふ降れる雪繁みかも



◇短歌



 歌會始の儀に、年のはじめに同じく「窓」といふことを勅言おほせごとに依りて詠むとあれば、やつこあれも詠みてみむとて、こゝに詠みてき。


 かの儀にありて、今年披講せられたる選歌十首のうち、口語いまのことにて詠まれたる歌五首、文語いにしへのことと言ふも口語と言ふも可なるべき二首、文語のみにて詠まれたるは三首、そのうち和語やまとのことのみにて詠まれたるは一首。

 披講せられたる選者の歌は、漢語からのこと混じれる文語。

 召人の歌は和語のみの文語。

 皇嗣殿下ひつぎのみこ内親王殿下ひめみこ詠ませ賜へるは漢語混じれる文語。

 皇嗣殿下ひつぎのみこの詠ませ賜へるは和語のみの文語にて、四句と結句に句跨あり。

 皇后陛下きさいのみやの御歌は、漢語混じれる文語。

 御製おほみうたも、漢語混じれる文語。

 いづれも現代いまのよことの響きさはに聞こえて、いにしへよりの言の響き少なきが如し。

 多くの歌に漢語用ゐられ、英吉利語又佛蘭西語に由來ある外來語とつくにのこと混じれるもあり。


 

 



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