第4話


さらに、結婚しても、お互いに性行為を望まない場合も多い。


それは、お互いに時間の制限を受けてしまうという事ともう一つ性癖が必ずしも一致しないという理由によるものだ。


さらに、そのような行為のなかで、お互いを侮蔑する気持ちが生まれないようにしなければならない。


なぜなら、お互いをこの上なく尊敬し合う事が理想の結婚なのだから!


というわけで、お互いの性欲処理はまた別の方法でする場合がおおい。


それは、不倫ということではない、相手は完全な機械なのだから不倫ではない。


そこには、さらに個人の欲望に忠実な世界が待っているのだが……それをお互いが知ることは死ぬまでないだろう。


そう、この未来の世界においては、愛情と性欲は完全に分離されていて、容姿も年齢も非公開の結婚が成立する世界なのだ。


つまり、結婚は相手の容姿ではなく心と心で結びついているといえるのだ。


それこそ、理想の結婚ではないだろうか?


お互いの絆のみが重要なのだ。


―――ん?コンタクトの要求があった。


「やあ、どうしたんだい?こんな時間に?」


「あの、ちょっと、報告があって...…」


「ん?どうしたんだい?あらたまって...…」


「大したことじゃないんだけど、結婚する前に言った方がいいかなって思って...…ほら、この前みたく、あなたが高所恐怖症だって知らなかったことで、わたしトンチンカンな事言ったでしょ?」


「ま、まぁね。トンチンカンではないけど、お互いをもっと知っておいたほうが良いってことだね?」


「そう、そうなの、それで子供作る前に言わないと不味いかなっておもって...…」


「ん?なに?...…きになるなぁ」


「わたし...…おとこなの!」


「...…え?」


「言っちゃった!やだ!」


「……うそ」


「いや、これほんとなんだよね……黙っててごめりんまる!ぺこり」


「まじか...…あちゃー」


「それでね、最近の技術では男同士で子供も作れるらしいんだけど...…すこぅしお値段が高いらしいの...…ほら、技術料っていうの?それでね...…」


彼女……の言葉は後半からあまり聞き取れなかった……というか、頭に入ってこなかった。


わたしは何度もココロのなかで繰り返した。


絆、絆が大事なんだよ、そう、絆こそ必要なんだよ……


理想の結婚には...…。

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幸せな結婚 ハイブリッジ万生 @daiki763

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