リアル桃太郎
黒い海が近づいてきた。浜辺に置かれた不自然な一隻の小さな船に乗り込む。黒色の海水面、空の背景も黒きに染まりゆく。あの日から敵をずっと探している。陽の昇らない毎日が秒速2キロのスピードで通り過ぎる。
船の中で夜空を仰ぎ見るように寝そべる。そして、夢を見てた。鬼退治を無事に終えて村人から感謝され、人として認められる夢、美しい夢。そんな綺麗事みたいな御伽話あったらいいな。船は一寸の前触れもなく何かにぶつかった。海上に数百個の「何か」が浮かんでいる。
吐き気が襲う。「うっ、ゔっ。」まるで死んでいる。いや、違う、死んでいる。鬼が。
傷が入り、腐りかけの赤色の肌、緑色の肌、青色の肌。ここは地獄なのか?
ここはどこ? それは全て現実の続き。
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