第15話 戦闘開始!清明編 優加編

「春さんじゃない?」

さっきまで正面フロアで戦ってた春さんが勝って来た訳じゃない?

負けたのか?春さんが?

「負けたんですよこの人は」

そう言って手を広げる。

「私はこの人の意識を移動させて私が乗っ取った」

乗っ取った?と言うか春さんの鬼力を使ってる?

「移ったのは意識だけだからこの人のできることは出来るんだよ」

まるっきり春さんと戦ってるってことか、、、

「でも君とは戦う気はない。もっと倒さなくちゃいけない人がいるからね」

そう言って一本の矢を手渡す。

「これは、、?」

「この人の意識が入った矢。折れたら意識なくなるから気を付けてね」

なんて重要なものを、、、

「それより倒すべき相手って誰だ?」

「碧影棗。私たちの隊の因縁の相手」

因縁の?昔何があったんだ?

「それは本人から聞いてね。じゃ」

そう言い裏口から出ていく。これからどうしよう?


~~~~~~~~


「作戦は前言った通りだからね。勝つよ」

棗の言葉で全員が動き出す。

みんな役目があっていいのぉ。

さて、どう動こうかの。とにかくビルまで歩くか。

山からビルまでが遠すぎるんじゃまったく。足に筋肉がついてしまうじゃろうが

ビルに近づくと正面玄関からエルフが出てきた。

「そういえば棗が見敵必殺サーチアンドデストロイっていっていたような?

ならば殺っていいんじゃな!」

鬼力を発動しエルフに向かって飛ぶ。

空中で偏差と角度を修正しながら足を向けるようにして突っ込む。

「死いぃぃぃいねぇぇぇ!!」

「!?!?」

うぬのドロップキックはしっかりとエルフに命中する。

鬼力を使ってなかったらしくしっかりと食い込む感触がする。

「うぐぅぅ、、、この伯爵様を、、、」

「伯爵?おかしなことを言うものじゃのぉ」

「こんなところで止まってるわけに、、ごぶっ、、」

エルフ、もとい伯爵が吐血する。

「早くギブアップせんと死ぬぞ?」

「伯爵様は死なないん、、だよっ!!」

腹を押さえながら逃げていく。鬼力で逃げるのか。

「そんなスピードでうぬが撒けるとでも思っとるのか!?」

踏み込み伯爵に向かって飛ぶ。一回の踏み込みで半分以上の距離を詰める。

「!?。第三にあんな子いるなんて聞いてないよっ」

まっすぐにビルから遠ざかっていく。確かあっちには棗が、、?まあいいわ。

「追い付いたぞっ!」

おもいっきり手を伸ばすあと少しのところで届かなかった。

「助かった、、。!。出番だよはく隊長!!」

「ん」

横の茂みから誰かが飛び出してくる。急ブレーキをかけ着地して距離をおく。

「殺意満々じゃのぉ隊長殿?」

「んーん。普通」

そう言って20式5.56mm小銃を撃つ。無表情で確実に急所を狙ってくるが、

「甘いのぉ」

隊長と言われる奴を中心に円を描きながら走る。ちょうど真後ろ、射線が通らないところで空気を蹴り隊長に撃つ。

「!」

思ったよりも簡単に吹っ飛ぶ。あれ?鬼力を使っておらんのか?

「撤退。区画Fまで移動」

「に、逃げよった、、、逃がさんぞ!」

「A、、、で、、囲、、る」

走りながらなんかぶつぶつ言っておる。誰にいっておるんじゃ?

隊長ビルの角を曲がり見えなくなる。速力を落とさず体を捻りながら空気を踏み台にする。

「てぇ~~~!!!」

「!?」

曲がり角には5人の兵隊がいた。さっきとおんなじ銃を構え掛け声で放たれる。

勢いに乗っていたためか兵隊たちの頭の上を越え奥に着地する。

「なんじゃ!?人が増え、、」

「B班構え、てぇ~!」

横の森から弾丸が飛んでくる。上へ飛んでも弾がついてくる。

「なんなんじゃ!?これはっ!!」

とんだ先にあった窓に急いで飛び込む。

「ひ、一人じゃなかったのか?それとも幻術、、、」

部屋の隅で状況整理をする。エルフを追いかけて捕まえられなくて横の茂みから

隊長って言われる人が出てきて一人だから追いかけたら増えた、、、

「鬼力、、、そうじゃ!きっと鬼力じゃ!」

多分幻術を見せるみたいな能力なんじゃろう。それなら怖くないぞ!

とにかくここから出て本体のあいつを見つけなければ。

「見つけたぞ!」

外を見ると一機のヘリがホバリングしていた。

「ミニガン発射!」

激しい轟音と共に窓が弾け飛ぶ。

「幻影なら問題はっ」

自信満々に窓の前に立つと身体中に穴が開く。

「幻影、、、じゃない?」

気がつけば体は地面についてしまっていた。

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