第8話 宵闇優加隊員
「ふう、やっと着いた、、、」
家のドアを開け棗が倒れこむ。
「そんなにか?」
「君はいろいろ特殊なんだよ」
春さんが肩に手を置いてくる。少し過呼吸になっているようだ。
「春、余力あるなら部屋紹介してて。うちちょっと、、、」
そういってすぅすぅと寝息を立て始めた。こんな玄関で、、、
「いつものことだから気にしないで手洗ってきて。」
春さんに言われて洗面台で手を洗う。うがいは、、、、まあいいか。
「うがいしてね~?」
春さんが注意してくる。心読まれるんだった。
「しましたよ。で、二階にいくんですか?」
「まあね。じゃ、行こ」
とんとんと上がっていく。ここも普通の家と代わり映えしない。
「ここが君の部屋」
二階上ってすぐに右。六畳半ぐらいの部屋に案内された。
「ここが俺の?」
「正確には君と中の子だね」
中の子?あぁ優加のことか。
「ちょっとお話ししようか」
急に春さんから話を持ち掛けられる。クッションも何もない場所で?
「うん。ここでいいから」
「あ、はい」
心読まれるのはなんか変な気持ちだな。
「読むのやめようか?」
「いや、いいですよ。それより話って?」
「うん。君の中の子の話なんだけどさ、なんなの?」
なんなの、、、なんなの?そういわれれてみればなんなんだ?
〘なんなのって鬼じゃ。〙
「いつからいるの?」
〘いつから、、、わからん!〙
「わからんはないだろう。なんかないのか?」
〘そのようなことなぜうぬが考えなならん。だるいことはせんぞ〙
「さすが鬼、、、、」
「思った通りの回答だね」
春さんがほほ笑む。この人笑うんだ、、、
「心外だね。それより本題だ」
春さんが拳を繰り出す。それを受け流し手をつかむ。
「な、なにを?」
「今受け流したのどっち?」
「どっちって、、、」
俺じゃないのか?
〘気づいてたのか〙
「まあね」
「?」
「ぁぁ、簡単に言うとさっきのは中の子が受け流したんであって君は何もしてないよ。」
「何にもして、、ない?」
〘うむ。お主は目をつむっただけじゃ〙
「そんな、、、、」
今まで自分の力で生きてきたと思ってたけど全部が優加だったのか?
じゃあ俺は、、
「どうしたらいいんだろうね」
〘一生体を譲ってくれてもいいぞ?〙
「譲るって、、、でもそうしてもいいかもな」
自信を無くし意識消沈する。どうすればいいんだろう。
「そうやってネガティブになると思っていい案を考えたの。これ棗に内緒ね?」
「あ、うん」
「まず君は右、中の子は左を動かすように意識してみて。」
「右に集中、、、?」
「まあまあ」
言われるがままに右半分に意識を集中させる。
「陸奥!切れ!」
「死ねえ!」
陸奥に体を切断される。意識は一気に飛んで行った、、、、、、
「さて、」
僕は立ち上がる。
「陸奥、長門ってなんでもできるよね?」
「うん!なんたって私の兄ですよ?」
「わかった。」
「長門~」
僕は新人の意識が集中してた右をもって長門の部屋に入る。
「ん?、、、は?」
「直して」
「うんって言えそうにないんだけど、、、」
「兄ならできま「あとで話ししようか」はい!」
勘違いしてるなぁ。
「で、出来ないの?」
「できるけど、、、、いいの?」
「いい。やれ」
「はぁ。ハイ」
長門が半身に触れ鬼力を使うと同時に注射する。
「それは?」
「麻薬。自然治癒力上げるための」
半身の新人が向くりと起き上がり力むと細い管が無い半身を構築する。
「おお、、、、」
「これでいい?」
新人の体は再生仕切ってもう斬れた痕跡もない。
「ありがとうな」
「うん。、、、、で陸奥?」
「どうしました?兄」
後ろから悲鳴が聞こえる。陸奥だな。
「、、、、、うわ!?」
俺は向くりと起き上がる。横を見ると知らない女の子が寝ている。
「誰だ?」
「中の子だよ」
顔を向けるとそこには春さんがいた。
「中の人って優加?」
「うん。半分にして二人の意識を分けた。ついでに体も」
はええ、、、、そんなことできるんだ。
「ん、、、ふぁぁ」
優加が起き上がる。
「やってくれるわ。初めて死を味わったぞ」
この時、棗の許可なしに宵闇優加が入隊した。
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