第7話 新兄妹
普通に交通規制守って普通に現場に着く。
「はい早く降りてよ~」
春さんにせかされて車を降りる。
「あ、気をつけ「!?」あ、、、」
車から踏み出して盛大にずっこける。
「不届きものにはぴったりの立ち位置だね」
目の前に立つ陸奥が見下ろす。
「ごめんね、清明君。陸奥の能力は反動が大きいから許してくれないかな?」
長門さんが手を差し伸べてくれる。これ、陸奥の能力だったんだ。
「ごめん、僕の注意が足りなかった。」
「いや、春さんのせいではないですよ」
まだぐわぐわしてる頭を押さえながら答える。
「それより、ここが今日の任務場所ですか?」
「そうだよ。怖いでしょ」
目の前には廃病院が広がっていた。周りは木々に覆われててホラーゲームのような
雰囲気が表れている。
「さ、行くよ」
棗が先導して中に入って行く。中は思った通り廃れていて異臭が鼻に着く。
「ぐう、こんな空気を兄に吸わせてしまうなんて、、、」
「考えすぎだよ、、、」
相変わらず困ってる。兄妹愛ってすごいんだな。
廊下を歩いていると変死体と出会った。顔が半回転していて、首がねじれて死んでいる。
「なんだ、、、こいつ」
「棗の能力だね。鬼力とは別の」
「能力?」
「うん。棗は鬼力とは別に特殊能力を持ってるの。詳細は見てたらわかるから」
そういって春さんは先行する。見ててわかるもんなのかな?
しばらくして大きな扉の前に着いた。扉の上には手術中のランプが赤く光っている。
「春」
「了解」
春さんが中に入って行く。一人で行かせていいのか?
「春が来るまではしばらく待機だね」
「俺らは中に行かないのか?」
「中に行ったところで春の邪魔になるだけだよ。あの子の鬼力は
「なるほど、、。そういえば、棗の能力って何?」
「ん?ああうちの能力はこっちに顔を向けさせるだけだよ」
「顔?」
「注意を向かせてるのほうが正しいね」
長門さんが補足を入れる。
「興味を惹かせるから相手は反射的に顔をむける。それを首の可動範囲外から発動すると折れて絶命するって理屈だよ」
「なるほど。棗より説明うまい」
「、、、、」
「なんたって私の兄なのですから!」
なんで陸奥が誇るんだろう、、
そうしていると扉とともに春さんが吹っ飛んできた。
「「「!?」」」
「だぁ!クッソ!何考えてんだあいつ」
「春!何があった!」
春さんが部屋の先を指さす。そこにはペストマスクをかぶった男がいた。
「なん、、だあいつ」
「人か?」
「見た目はそうだけど、、、」
「話してる暇ないよ!戦闘準備!」
棗の声で全員が臨戦態勢に移る。
❝綺麗な死体をくださいな❞
男の下から死体が出てくる。死体は起き上がりこちらへ攻め込んでくる。
「ねえ清明君」
「?。長門さん?」
「こいつら、意識あると思う?」
意識?どういうことだ?
「死体だからないと思いますけど、、」
「おっけ~」
長門さんが前に出る。
「兄!?」
「長門さん!?」
長門さんが攻めてくる死体の頭を鷲掴みにすると死体が苦しみだしその場に倒れる。
「ふう、、」
「兄!危ないことはあれほどと、、、」
「ごめんごめん。仲間が増えたんだし許してよ、、ね?」
「仲間、、?」
さっき倒れた死体が起き上がり男へと向かっていった。
「どういう、、、」
「これが兄の鬼力 無意識な物に自我を持たせる よ。そいつに自我を与えるという天才的な発想を使ったの」
半分長門さんの賛辞な気もするけど納得した。
❝強い武器をくださいな❞
男の不気味な声がする。さっきの死体は無残に爆散している。
男の手にはメスが握られている。
❝あなたの解剖やりたいな❞
男が一瞬で俺の目の前に来る。
「、、、は?」
刺される。と思った刹那棗に突き飛ばされる。
「なんで鬼力浸食させてないの!?」
棗が男の相手をする。どちらも無駄がない動きで戦闘を繰り広げる。
「早く浸食させな」
春さんにせかされる。
〘どこまでうぬに使わせてくれるのかの?〙
「どこまで、、、全部?」
〘それでいいのか?戦闘が一瞬で終わるぞ?〙
「わかった。浸食プロトコル解放。浸食開始」
意識が飛ぶ感じ、、、、じゃな。
「やっぱり現世じゃの!」
うぬは大きく伸び、戦闘に参加する。
「また君?」
「悪いかの?」
❝ヴァアアアア!❞
男が方向をあげうぬらをはねのける。
❝毒を廻してくださいな❞
男から鱗粉が噴き出る。明らかに死ぬとわかるような鱗粉が。
「どうするのじゃ棗よ」
「どうするも何も殺すしかない」
「それより、、、清明君だよね?明らかに声と見た目が、、、」
「(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪」
「ん、ああうぬは鬼じゃぞ?あやつの鬼力じゃ」
「そんなことあるんだ、、、」
「来るぞ!」
春とやらの声で全員が散開する。男はうぬに向かって一直線に走ってくる。
「うぬなら勝てると思ったかの」
空気を蹴り鱗粉を追いやってからの正中四連撃。
男は倒れてもがき苦しむ。
「正中四連、、、」
意外とあっけなかったの、、、、
「危ない!」
棗の掛け声で横に飛ぶ。男の姿は一変し一回り大きくなっている。
「なにものじゃこいつ、、、、」
❝動きを封じてくださいな❞
「動けない、、、?」
一歩も動けない。うぬが?
「!。春とうちで優加のカバー!。陸奥、殺って」
「任されました」
「優加ちゃん、清明君見てな、陸奥の鬼力を」
春さんがうぬを移動させて陸奥がその間に入り込む。陸奥は微動だにせず男が一方的に殴りまくっている。と思ったら今度は男のほうがばらばらに切り刻まれた。
「なるほどの」
〘どういうことだよ。全然わかんねぇ〙
「僕から説明するよ。陸奥の鬼力は自分だけ時間を止める力。つまり
周りからは陸奥は止まって見えるけど陸奥からしたら僕たちが止まってるの。
で、世界は陸奥の行動を上書きするから陸奥が鬼力を使って切り刻んだら
それは適応されて気づかない間に死んでる現象が起きるってわけ。わかった?」
〘あ、ああ〙
「全然わかってないじゃん」
「心が読まれておるぞ」
「恥ずかし」
〘、、、、、〙
「とにかく。終わったことだし帰ろう」
「了解」
「兄!私やりましたよ!」
「えらいえらい。帰ろう?」
「~~~!!はい!」
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