第2話 碧影棗

碧影棗。その名前を俺は退院後調べ始めた。公式HP、隊員表、SNS、

あらゆる手を使っても名前は一向に出てこない。

そんなに調べる意味も理由もないがなんだか気にかかる。

俺の特圧隊への知識が浅いと言われたようなそんな気がしてならないのだ。

それに最後に言われた一言、

「うちともう一度出会えたら特圧隊に入れてあげる。」

この一言で俺はやる気になった。なんせもう一度会うだけで特圧隊に入れるのだ。

これ以上のチャンスはない、、、が、全然見つからない。

あれは夢だったのだろうか?でも、ニュースに報道されてるし、、、

「い、、、おい!行くぞ!」

「え?ち、ちっす!」

そういって俺たちはパトカーに乗り込む。

「ったく、なにが先行っててくださいだ。運転お前なのにどうしろってんだよ。」

「は、はは、、、すんません、、」

申し訳なさ過ぎて頭が上がらない。ごめんなさい、、。

今日は何事もなく巡回ルートを回り署へ帰る途中、

「ん?、、、あ!!」

そこにいたのは眼帯をした銀髪の女の子。それはまさに棗だった。

「お、おい。どした?気分悪いか?」

先輩が心配してくれている。

「いや、それより運転変わって先に署に行ってくれません?」

「またかよ!ぶざけ「お願いします!」、、、しゃあないな!」

そういってしぶしぶ運転を変わってくれる。やっぱり先輩はやさしいなー。

パトカーを後に、棗を追いかける。

途中、棗が止まり、動きを繰り返してたのは不思議だったが、順調に尾行できた。

数分で棗がマンションへと入って行ってしまった。ここまでかな、、。

「うちをつけてきてなに?」

「!?」

その声は後ろから聞こえてくる。後ろに振り向いても誰もいない。

「こっちだよ?」

前を向くとさっきまで尾行していた棗がいる。

「さっきからついてきて何?用事?」

「いや、街中でお前を見つけたからついてきただけだ。」

「ふ~ん。なんで?」

「なんでって、お前がうちと出会えたら特圧隊に入れてくれるって、、、」

「、、、、、?」

棗は不思議そうに首をかしげる。俺、そう聞いたよな?

「あ、あの時の警察官か。覚えてたんだね」

「ま、まあな。」

「わかった。約束したからには入れるよおめでとう。」

「本当か!?な「その前に」?」

棗はカッターを手に持ち空を切る。その刹那俺は棗に手を引かれ壁に突っ込む。

「おい!?なにしてんだよ!」

俺は恐怖で目をつむる。

「もう空けていいよ。」

そういわれ目を開けると何もないまっさらな空間が広がっていた。

「なんだ、、、ここ?」

「ここは空間の中の空間。うちの能力だけで入れる秘密の部屋だよ」

秘密の部屋?何を言っているのか全然わからない。

「わからないって顔してもダメ。とにかく入隊試験を受けてもらうよ」

「入隊試験!?」

「うん。其の1、これを飲む。」

そう言ってと渡されたのは透けた液体の入った瓶。中身があるかわからないほど

液体は透け、美しい。

「これ、飲んでも大丈夫なのか?」

「大丈夫大丈夫。ほら、早く」

せかされふたを開け、口へと運ぶ。

「!?。あ、、、、熱い、、、」

体が燃えるように熱い、足元を見るとぐつぐつと煮えたぎるように変動している。

「は、、、足が、、、、」

痛みは数分続き、治まったころには足が骨になっていた。

「!?足が!!」

でも、立てている。

「おめでとう、これでうちの仲間だよ」

そういって棗は眼帯を外す。するとそこには眼球がなく、えぐられたように

骨が見えていた。そしてまた付け直す。

「特圧隊‘‘鬼’’入隊の掟、五体の一つを捧げる。今のでそれはクリアだね」

「その前に教えろよ!なんd「はいはい。基地で聞くから。」、、、、」

「掟其の2。」

棗が学生服を脱ぎ捨てる。中には体操服のようなものを着ていた。

「うちとどっちかがギブするまで殺し合いね」

「はあ!?何言って、、、」

棗は一直線にこちらへ突っ込んできた。

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