棗隊、見敵必殺!

狗神 波音

第1話 特殊環境生物鎮圧部隊

「俺の夢は特圧隊に入ることです!」

自分の夢を高らかに宣言した当時10歳の赤城清明あかぎせいめいは素晴らしい笑みを浮かべていた。我が国が誇る最高最強の特殊部隊、特殊環境生物鎮圧部隊

通称、特圧隊は非人類の大きなデモに対抗すべく自衛をメインに置いた部隊だ。

警察が対処できず、国の存亡が怪しまれた時のみ動く部隊。そんな部隊に

入りたいと言うやつは清明だけだろう。周りからは非難の目で見られても清明の夢は

変わる様子を見せなかった。

その15年後25歳になった清明は警察に所属していた。

「お~い清明!パトロール行くぞ~」

「は、はい!」

1つ上の先輩に連れられパトカーに乗り込む。乗り込むと同時に先輩は愚痴を漏らす

「なんで警察なんかあるんだろうな。特圧隊があるならいらないだろ」

「ま、まあ、国の存亡に関わる時だけですから、強盗とかは俺らの仕事ですから」

飽きれながらそう答える。車のエンジンを掛け動きだす。動き出して10分ちょっとして、信号待ちの間にふと裏路地で大きな高笑いしている集団を見つけた。

「先輩ちょっと先行っててください。」

「先って運転お前、、どこ行くんだよ!」

運転席から降りて裏路地に向かう。

近づくにつれてその集団は人間ではないのがわかった。下半身は蛇、上は人間の

女達だった。

「もしも~し。なにしてるんすか?」

「?。あんたには関係ないだろ?さっさとどっか行きな。」

鋭い目でにらまれる。だが、帰るつもりはない。

「いや~こっち警察なんでダメなんすよ、てことで何してるんですか?」

女達の隙間から小さな人影が見える。口は裂かれまるで蛇のようだ。

「こいつがうちらのことけなしてきたんでおんなじ運命にしてやってるんだよ。」

「、、、。でも、一応犯罪なんでね~、裁判起せばよかったんじゃないんすか?」

「ふざけるな!」

いきなり怒鳴られる。まあ、それも無理ないか。

「裁判してもうちらが負けるだろう?下半身が蛇ってだけで!!」

そうなのだ。この国は勝戦国ということで非人類への取り締まりが厳しくなり、

明らかに差別が起こっている。でも、それは3年前までの話だ。

「それは3年まえに解決しましたよ?だから、だいじょ、、」

俺は一気に首を傾かせる。首があったところには蛇の尻尾が鋭く光っている。

「そんなの表向きだろ?笑わせるんじゃないよ人間。あたいらより非力で弱いくせに、勝ち誇るんじゃない!」

そう言って蛇女は指を鳴らすと周りからぞろぞろと蛇が集まってくる。

蛇女はだんだん大きくなってゆき簡単に俺の身長を抜いていった。4mと言ったところか。それが2人。

「いいんすか?こっちも一応警察なんで痛い目見ますよ?」

そういい終わった瞬間俺の体は道路を挟んだ向こう側に吹っ飛んでいた。

通行人の悲鳴が鳴り響く。正直うるさい。

「なにが警察だ!すぐ吹っ飛ぶじゃないか!」

「ってえ、、、舐めてんじゃねえぞ!」

もう一度尻尾が伸びてくる。避けたところでもう一本。もう一本と伸びてくる。

全部をギリギリで避けて一人の間合いに入る。俺は手に持ったスタンリボルバーで撃つはずが、横に吹っ飛んでいく。もう一人が殴って来たのだ。

「くそっ、、」

蛇女の笑い声が耳を刺す。女達は街を荒らし、こちらへ向かってくる。

「なにが「舐めんな!」だい?笑わせるんじゃないよ。とっとと死にな。」

首を絞めつけ絞殺しようとしてくる、、女の顔面にスタンリボルバーを撃った。

「ぎゃああ、、、、このガキ、、、」

「へ!ざまあみろ!」

撃った女は痙攣し、動けていない。俺はもう一匹に向かってゆく。

正直1対1《タイマン》なら勝てる。そう思っていた矢先体が止まる。

動きたくないから止まったのじゃない。動けないのだ。蛇女の固有能力「蛇のスネークアイ」相手と目が合うことで相手を行動停止に出来る技だ。

勝てる自信で調子に乗った。クソが。

「、、、、。死ね」

蛇が近づき口を開くと、隣のビルを飲み込む。一つ、また一つ、、、と。

「何する気だ?」

「飲んだビルをあんたに吐く。怖いだろうね。」

そういうとこっちを向き、喉がどんどん広がってゆく。

「りりなはい(死になさい)。」

棗隊なつめたい、現着。任務終了。死ぬのは君だったね。」

その瞬間女の顔が上へ吹き飛ぶ。もちろん後ろの女も。

「!?。誰だ、、、」

俺はその女に問いかける。美しい銀の髪に一筋の紅い髪が流れている。その目は片方

眼帯で口はマフラーで見えもしない。

「?。特圧隊第2部隊隊長、碧影棗へきえいなつめ

そう言って彼女はマフラーに顔をうずめた。

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