第2話

高校生。私にとっては憧れの響き。中学まで部活一筋だった私は勉強もろくにせず、恋愛もせず、彼氏なんていた事もなかった。髪も短いし、どすっぴんだし、高校入学当初の私は今でいう、いも。でも、高校生になれば自然と彼氏なんて出来ると思ってた。そう、私は高校生への憧れからか1年生前半はだいぶ調子にのっていた。先輩からしめられてもおかしくなかったけれど、2個上の兄が同じ高校だったためしばかれることなく生き抜いていた。そんな調子に乗っていた私は、入学して二、三ヶ月で彼氏が出来た。向こうが私に好意を持っていると噂で聞き、それなら!と思った15歳のアホな私は付き合った。そう、その相手はあいつ。ではなくて、違うクラスメイト。すぐに別れた。完全なる黒歴史。今でも友達と私の会話の中でその話はご法度。思い出したくない。それはさておき、私に彼氏が出来た時期にあいつにも彼女ができた。この彼女とあいつはこの時から随分長く付き合った。高校一年生の私は、あいつに彼女がいるとか正直どうでもよかった。この時はただのクラスメイト。今もただの友達だけど。

それから、行事を重ねるごとに私はあいつの事を「こいつおもしろいな」と思っていった。一気に距離が近づいたのは、2年生の選択授業と半年以上近かった席。うちの高校は3年間クラス替えがない。なかなか人に心をひらけない私もさすがにあいつにも心を開き言いたいことをいいまくっていた。「髪の毛モサモサだね」「面白い話して」「料理上手い彼女いていいな〜」「昨日のドラマ見てないの?ネタバレしよっか?」とか。くだらない会話と私の毒舌。あいつもあいつで「いつになったら彼氏できるの?」「そんなに食ってるから、、、ねー??」「誕プレ待ってるね」そんなくだらない会話が楽しかった。授業中は、授業なんて聞かずにくだらない話で笑いあった。授業中どっちかが眠くなると2人とも眠くなってそのまま寝た。1番前の席なのに。

 高2の、夏。友達関係に困っていた私。困っていたというか、一方的に謎に無視されていた。その時も、気づいてくれたのはあいつ。「最近どうした?」と話を聞いてくれた。あいつは、基本的に誰にでも優しい。それが一番優しくないと気づいたのは最近。それでも、その頃の私にとって心強い存在ではあった。今でも、仕事でしんどくなったらあいつに連絡してしまう。普段は、ふざけた返信で何日も未読するくせに、、。そういう時の返信は、はやくてむかつく。いろいろ話したいことがあるけど、聞いて欲しいこと沢山あるけど。これ以上踏み込んではいけないと時々ブレーキをかけてしまう私。だってあいつには、彼女がいるから。

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てん @ten1241

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