てん

第1話

夜の飲み屋街。夜のコンビニ。車の中。カラオケ。雨の匂い。桜。そこで深呼吸をすれば、あいつを思い出す。あいつは、私の中のエモい代表。そして、忘れちゃいけないのはあいつには彼女がいるってこと。

 私たちの出会いは、高校一年生。高校に入学して、何となく毎日休まず学校に行きクラスの人の顔と名前が大体は一致し始めた頃。向こうから話しかけてきた。授業中。たしか、「疲れたね」的なことを言ってきた。私は、初めて話したからどうしたらいいか分からず「そうだね〜」なんて在り来りな返答。実は昔から、人見知りだった。つり目で背が高いうえに人見知りで初めてあった人と全然話せないから大体の人の私の第一印象は怖い。そんな私に普通に話しかけてくれたことに驚いた。その夜、LINEが一件。追加してない人からだった。そう、あいつ。「俺の事わかる?」と一言。「そりゃ、今日話したし同じクラスなんだからわかるだろ笑」と思いながら「わかるよ〜笑」と返信。これが初めてのLINE。それから、少しずつ仲良くなる。何がきっかけかは分からないまま。今年、友達歴7年目。あいつには、彼女がいる。

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