エピローグ
迎え
時刻は深夜の零時を回っていた。
『もしもし? 源蔵さん? 何かありましたか?』
机の上の電話口からそんな声が響くが、源蔵は答えることができない。京葉高校の理事長室。
軍服に似た制服から
「
淡々とした宣告に、源蔵は軽く笑った。
「まあ、こうなるのだろうな」
皇嗣の考えを聞いて、彼が自分たちの身柄確保に動くことは分かっていた。そして従わなければ相応の罰を与えられるだろうことも。
源蔵は立ち上がり、両手を上げた。
「応じよう。ただ深月のほうは行方不明でね。狗神を利用したい人間に連れ去られたらしい。ここは私だけで満足してはくれまいか」
抵抗の意がないことを示すと三人は満足したのか、部屋から出て行く。源蔵もシルクハットをかぶってその後に続こうとし、ふと後ろを振り返った。
机の上て通話中のまま放置された携帯に向かって、内緒話みたいな声音を向けた。
「
それを最後に扉が閉まる。
──カミツキ姫の
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