tr.22 Blue Screen Message

「――サテ、死ニタイ奴ガ居タラ掛カッテ来ルガヨイ……ク…ククク……」

 不気味な駆動音を立てて一同に迫るあ~る・ぬ~坊。キャリブレンジャー(+α)、絶体絶命――!?


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「はぁーッッはっはっはッッ!! SJ-BB-1起動開始ッッ!! これで貴様らも終わりだッッ、ブラマグサン!!」


 遂に起動を始めた超巨大コンピュータ、SJ-BB-1こと"Big Boss"。地球の運命や如何に――!?


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「――おぉ?」

「どうした、ブラウプンクト?」

「いえ、何故かの起動が確認されまして――」

とは例のアレか?」

「は。疾うに廃棄されたものと伺っておりましたが――」

「フェッフェッフェッ、もしや奴めが叩き起こしましたかな?」

「奴とはあの女狐のことか、テレフンケン?」

「左様で御座います、閣下。そもそも本体サーバに御座いますれば」

「しかし今更、あんなものをどうしようというのだ? 我々ですら手に負えず廃棄した物を?」

「さて、どうですかなぁ、奴らの暗黒科学とやら、この私めにも全貌が解りかねますれば、何やら妙手があったのやも知れませぬ。フェッフェッフェッ」

「――ふむ、まぁ良い。暫し女狐めのお手並み拝見といこうか。ただ、呉々も監視は怠るな」

「……閣下、とは一体――?」

「――あぁ、オングーロ、お主は着任前のことなので知らぬか。それはな――」


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「――五鬼の右手Five Demon Right獄炎の羅刹へるふぁいあ

 今度は中指と小指のみ折り曲げた右の掌から飛び出す火炎放射!!

「うわっちちち!! 熱い熱い熱いー!!」

「――"グワシ"を一発でキメるとは、敵ながらやりおる」

「ヴィーちゃん、感心するとこそこやないー!!」

 逃げながらも対抗して同じことをやろうとした雨音指令は指を攣らせていたw

「フッ、全身機械ノワレニトッテハ造作モナキコトw」

完全改造人間パーフェクト・サイボーグという奴か――」

改造人間さいぼーぐヂャナイヨ、機械人形おーとまたダヨ!!」

「――急にどうしましたの!?」

ワレ改造人間サイボーグガ如キ半端物ト一緒ニスルナ!!」

「変なところに地雷がある奴っちゃなぁ(´・ω・`)」

「てかそれって何気に"御母様"をディスってね?」

「喧シイ愚民ドモ、チネチネト細カイコトヲ」

「あ、論破されて逆ギレ☆」


「馬鹿ハ死ナネバ治ラヌヨウダ――五鬼の右手Five Demon Right氷結の般若あるてぃめっとぜろ

 中指と薬指のみ折り曲げた右の掌から放たれたのは絶対零度の猛吹雪ブリザード!!

「今度は冷凍光線サバラですか、一体幾つあるんでしょうか?」

「取り敢えず今までの3つあればソロキャンプでも困らんなぁw」

「今なら、定価2,980円のところを本日限定、なんと1,980円!!」

「わぁ、とってもお安い~!!(棒)」

「お申し込みはお早めに、ねっ☆」

「我ガ五鬼の右手Five Demon Rightヲ通販ノ便利ぐっずト一緒ニスルナァァァーーー!!」

「これも地雷だった件w」


「マッタク、アー言エバ上佑――モトイ、コー言ウ――五鬼の右手Five Demon Right衝撃の牛頭ごずぐれねいど

 言うなり握り拳にした右手の親指を弾いてパチンと鳴らす。

「今度は指パッチン☆」

「『ま●とちゃん』はネタ切れかw」

 などと嗤っていたのも束の間のこと。

 突然襲った衝撃に倒れる一同。

「ぐっ……!!」

「な……見えなかった!?」

「当然デアル、衝撃の牛頭ごずぐれねいどは超高圧圧縮空気ノ弾丸ナレバ」

「案外こいつが厄介だな」

「ど、どーしましょー!?」

「まぁ待て、相手が空気なら手もあるさ」

 ニヤリと嗤うシンク隊員。

「変っ身っ!! Super Stronger!!」

 両腕を交差させた彼女の全身が光り輝き、その姿は仮面タイガーSSに変わる。

「フッ、出来損ナイガ増エタ所デ所詮ハ蟷螂ノ斧ヨ!!」

 再び衝撃の牛頭ごずぐれねいどを放たんと指パッチンの構えを取る、あ~る・ぬ~坊。

「ならば蟷螂の斧の切れ味、とくと見ろ!!」

 腰のベルトに両手を当て、叫ぶ仮面タイガーSS。

「トルネード逆回転!!」

 彼女のベルトが赤く輝き、中央の丸に十の字のバックル部がぱっかーんと開くと、内部の風車が猛烈な勢いで逆回転を始めた!!

「シンクちゃん、前に電気人間とか言ってなかったか?」

「こいつは奥の手、いざという時には風力発電も可能なのだ。まぁ、ベルトがぐるぐるは改造人間の伝統だしな」

「伝統って何ですか?」

 などとやってるうちに、指パッチン――もとい衝撃の牛頭ごずぐれねいどは同じ超高圧空気の渦であるトルネード逆回転によってものの見事に相殺されていた。


「グ……グヌヌ……」

「はい、本日初の"ぐぬぬ"頂きましたー☆」

「ナ、ナラバッ、目ニハ目ヲ、歯ニハ歯ヲダッ!!」

「それ番組が違うやろw」

「黙レ愚民!! ナラバ受ケテミヨ、五鬼の右手Five Demon Right破砕の馬頭めずばすたー

 全ての指を掴み掛かるようにと開いた右の掌からローディムーンのそれに匹敵する電撃が放たれる。"ガチョーン"であるw

「ワハハハーーーッッッ!! 電撃・稲妻・熱風!! 貴様ヲのっくあうっ!!」

「それも番組が違――ん? ある意味違うてないんか?」

「それよりどうするんですこれー!!」

 荒れ狂う電撃から逃げながら悲鳴を上げる一同。

「はっはっは、流石に電気は電気で相殺出来んしなぁ」

「シンクちゃん、笑ってる場合やないw」

「仕方がありませんわねぇ」

 溜息を吐いてソニア隊員が立ち上がり叫ぶ。

「出でよ、剣虎サーベルタイガー!!」

 青い稲光と共に彼女の手に現れる長剣。

「たかが雷、大地に流しておしまいなさいっ!!」

 ぶんっ、と手にした剣を投げ上げると、先程あ~る・ぬ~坊が放った電撃は全てそれに集中する。

 そのまま床にどすっと刺さると、吹き荒れていた電撃はぴたっと止んでしまった。

「――ナ、何ダ……ト……」

 呆然とする、あ~る・ぬ~坊。

「あら? 避雷針もご存じないのかしら、このポンコツさんは?」

「知ットルワッ!! 大体、ソンナ剣1本で我ガ破砕の馬頭めずばすたーヲ受ケ止メキレル筈ガ――」

「ほほほ、我が剣虎サーベルタイガーをそこらのナマクラと同じにしないで頂けるかしら?」

「グヌヌ……」

「どっちが悪役だか解らない件w」

「それなwww」

 ひそひそと草を生やすヴィー隊員と雨音指令に一瞬殺気を飛ばして黙らせると、剣虎サーベルタイガーを引き抜き、あ~る・ぬ~坊に向けて宣うソニア隊員。

「さぁ、もういいでしょう、さっさと降参なさい」

「おぉ!! いいぞー悪役令嬢ー!!」

「お黙りなさいっ!!」

 雨音指令の煽りについノせられてまんまと悪役令嬢ムーブをやらかしたソニア隊員の隙を突いてヒビキ隊員にロックオンする、あ~る・ぬ~坊。


「――ワカッタ、ワレノ負ケヲ認メ――ルト思ッタカッ!! 隙アリッ!!」

 ギラッと光った両眼に反応して危険な右手を押さえに掛かるソニア隊員とシンク隊員だったが、そちらは囮で――。

「掛カッタナッ!! 死神の左手ぐりむりーぱーれふと、ろけっとあんかーもーど!!」

 そう、今までさんざんぱら見せびらかすように攻撃を放っていた右手は囮、本命はこの左手だったのだ!!

「きゃあ~~!!」

 巨大な5本爪のグラップル状に変形した左手が分離するなり火を噴いて飛び出し、ヒビキ隊員の躰を壁面に縫い付ける。

「「ヒビキっ!!」」「ヒビキちゃんっ!!」「ヒビキパイセンっ!!」

「「「「「「ヒビキ隊員っ!!」」」」」」

「ククク……愚カナリ愚民ドモ……マンマト騙サレヨッタワ……サテ……御母様ノ不倶戴天ノ敵ニシテ我ラガノ裏切者タル、嬲リ殺シニシテ差シ上ゲマショウ……」

「くっ、そんな腕1本なぞ!!」

「オット、近ヅクナヨ? 先端ニハモ付イテオルゾ? 少シデモ動イタラト逝クゾ?」

「くっ……卑怯な……」

「貴様ラハ後デ始末シテヤル……先ズハ……御姉様ヲ処理シテカラダ……ククク……」

「うう~~ん……は、外れ……ない~~……」

 苦悶の表情を浮かべるヒビキ隊員に向けて冥い嗤いを浮かべる、あ~る・ぬ~坊。

「コレデトドメダ!! 天国と地獄くろすあたっくぶりざーど

 どういう原理か、ヒビキ隊員を押さえ付けた左手から電撃が走り、悲鳴を上げるヒビキ隊員。

 そして、あ~る・ぬ~坊の両胸がぱっかーんと開く。

「お、お●っぱいミサイルかっ!?」

「司令、それちょっとセクハラですよ?」

「世知辛いなぁ(´・ω・`)」


「フッ、ソンナ安直ナ代物デハナイ!! 見ヨ!!」

 あ~る・ぬ~坊の開いた右胸から超高温プラズマの奔流が、左胸からは絶対零度の竜巻が放たれる。

「コレガ我ガ最大ノ奥義ナリ!! 地獄ヘ逝クガヨイ、御姉様!!」

「「ヒビキっ!!」」「ヒビキちゃんっ!!」「ヒビキパイセンっ!!」

「「「「「「ヒビキ隊員ーっ!!」」」」」」

 逃げ場無きヒビキ隊員こと仮面レコーダーBlaMagブラマグ、絶体絶命――!!


<< □ |> ○ || >>


「――ふッふッふッッ!! はぁーッッはッはッ!!」

 眠りを覚ましつつある巨大コンピュータ・SJ-BB-1の点滅する計器類に照らされながら高らかに嗤うローディムーン。

 それはさながら悪●宮博士やララ●シュタイン博士を彷彿とさせる不気味さであった。

「子供が見たら絶対に夢に出て夜泣きするレベルで御座いますな」

「――? 何か言ったか、バトルラッタッター?」

「Σ(・ω・;|||――い、いえ、独り言で御座いますれば」

「ふん、まぁいい、見よ、もうすぐじゃ。これでこの日本は我がゴスゴスの――」


 ピーッ!!


「――む? なんじゃこの青い画面は?」


 そこには起動途中の画面から一転、全面真っ青になった画面に何やら文章が表示されていた。


 [ 例外 が 009V WX1234YZ  で発生しました。        ]

 [ 現在のアプリケーション を終了します。               ]

 [                               ]

 [  ・どれかキーを押すと、現在のアプリケーション を強制終了します。  ]

 [  ・Ctrl+Alt+Delキーを押すと、コンピュータ を再起動します。    ]

 [   アプリケーション で保存していないデータは全て失われます。    ]

 [                               ]

 [        どれかキーを押すと、続行します。        ]


「なんじゃ、古いもんじゃから本調子ではないのか?」

 どれか、とあったため適当にEnterキーを押そうとするローディムーン。

「あ、ローディムーン様、こういう時は下手に触らない方が――」

 と老婆心から忠告したバトルラッタッターであったが一瞬遅く、キーは押されていた。

 ピーというビーブ音ののち、画面が消灯し再起動シークェンスに入るSJ-BB-1。

「心配性じゃな貴様も、我がゴスゴスの科学は地球一ィィィ!!じゃ。ほれ、このように――」

 ドヤ顔で再び点灯した画面を振り向いた彼女の表情が凍り付いた。

「――なん……じゃと……!?」


<< □ |> ○ || >>


「どーしよーどーしよー!! ヒビキ隊員が絶対絶命ですよぅー!!」

「なんかゲス女の方もやらかしてるっぽいな?」

「ヴィーちゃん、容赦ないね(^^;」

「まぁまぁ安心したまえ諸君、こんなこともあろうかと――」

「司令のが一番心配なのですわ」

「全くだな(´・ω・`)」


 次回、『逃げ上手の姫君』仏恥義るゼ!!


[L] ||||||||||||||||||||||||||

-dB 40 30 20 10 5 0 2 4 6 8 +dB

[R] |||||||||||||||||||||||


 あ~る・ぬ~坊の各種武装はメカゴジラ各世代から頂いております。名称が厨二病なのは製作者ローディムーンの趣味です、多分。

 最後のだけは更にガオガイガーとダイモスとガイバーが混ざっているとかいないとか(どっちやねん)。

 幼少時にブルマァク製の超合金ジンクロンメカゴジラを持ってましたが、今見ても良い出来でした。無くしてしまったのが惜しまれる(´・ω・`)

 お陰でいい歳になってから買っちまいましたよ、超合金魂のMGⅠとMGⅡ。生頼版平成MGは流石に手が出ませなんだ……_(┐「ε:)_

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