tr.14 一本刀土俵入り(ドヒョーイン)
「――デュフフフ、やはり大トリはボクのようだな( *`ω´*) ≡3」
眼をキラーン☆と光らせたヴィー隊員は学校の裏山に向かって叫ぶ。
「目覚めよ……目覚めよ……RAIDEEN!!」
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学校の裏山の採石場の崖が突然揺れ始めた。
「きゃぁ~~!?」
「じ、地震ですのっ!?」
「いや、違うな。これは――」
そう、震源は崖の方であり、地面が揺れているのはその余波に過ぎない。
その崖に向かい、眼を閉じて呪文だか念仏だかを唱えているヴィー隊員。
「タニカゼ……オノガワ……」
彼女の身体が次第に光を発する。
「シラヌイ……ウンリュー……」
崖の揺れは一層増し、次第に表層が崩れ落ちていく。
「目覚めよ……目覚めよ……」
そしてその中から現れたのは――
「超勇者RAIDEEN!!」
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「――こ、これは……」
「なんて巨大な……」
「関取!?」
そう。それは確認するまでも無く紛う方無き巨大な関取――力士のロボットだった。
頭上にはご丁寧に大銀杏まで結い、背中には弓矢を担いでいる。
「――んなッ!? な、なんだなんだァーッ、その薄らデカいのはッ!?」
「デュフフフ、遠からん者は音にも聞け、コレこそが超勇者
「超者か勇者か無冠かはっきりしろォーッ!!」
「何を言うか馬鹿者、全てを内包する故に最強なのだ」
「あーもうッ!! あー言えばこー言う!!」
「なんか勇者ってーより横綱って感じ☆」
「さもありなん、コイツを目撃した江戸時代の人間がお抱えの力士に同じ名前を付けたと一説には言われているからな( *`ω´*) ≡3」
「なんかすっげー胡散臭いんだけどその一説(^^;」
「文句はコイツの威力を見てから言って貰おうではないか。――んじゃちょっと行ってくる(`・ω・́)ゝ」
びし!! と右手を挙げるとヴィーは件の巨像に向かい叫ぶ。
「ドヒョー……ドヒョー……
巨像の大銀杏の間から光の帯が伸び、ヴィーはそれに引っ張られるように飛んでいく。
やがて大銀杏の間に吸い込まれ、その姿が完全に見えなくなると、巨像の両眼に光が灯った!!
巨像は意外に可動範囲の大きい関節――これはMGかPGクラスの可動軸の多さだ――に任せて大きく四股を踏み、柏手を打つと叫んだ。
『らーいでーん!!』
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「♪逝ーくーぞー、らーいーでーん!! らいらいららいらーい!!」
ヴィー隊員は上機嫌に歌いながら
「古代ムーニー大陸、驚異の科学力!! 発気よーい!!」
混戦の中、
「次は貴様じゃーくたばれー!!」
強烈な張り手を喰らったハイトラゴスが吹っ飛ぶ。
「力勝負でこの
返す刀ならぬ浴びせ倒しでカリキュレゴスがもんどり打って倒れ、立ち上がれず脚をギコギコ言わせている。
「どっせーい!!」
うっちゃりを喰らったテンフォーゴスは胸部のモニタ画面に爆弾マークを表示して
「今時爆弾マーク?」
「あれはClassic OSの方で動いてるな、TigerならCarbon使えた筈……怪人のOSが64bit未対応なのか?」
「そんなのコンピュータヲタクにしか解りませんよぅ(´・ω・`)」
突如、遠方から砲弾が降ってくる。タイガーゴスが両肩の大砲を撃ってきたのだ。
「どわー!! うおー!! てめこん畜生、遠くからとは卑怯なりー!!」
「ヴィーちゃーん、背中の弓矢を使いなよー!!」
「何を言うかミサ、こいつは弓取り式専用なので攻撃力は皆無なのだ」
「それって只の飾りじゃね……?」
「そうとも言う!! やべ、どうしよっ!? こいつ基本近接戦専用だから飛び道具無いし……助けてー、タメえもんー!!」
突如、
「呼んだか~い、のヴィー太くん~?」
「その呼び方やめい。それより敵が飛び道具使ってきてピンチなんだよー!! どうしよー!?」
「きみは、じつに、ばかだな」
「ンだとてめーこの!!」
「それならスピードで攪乱するんだよ。――限定解除モード、
「ありゃ、止まっちゃったよ☆」
「壊れちゃったのかしら~~」
「いや、違うようだ――見ろ!」
シンク隊員が指差す先で、動きを止めた
「――変形シーケンス開始、推進モード変更、メインフレーム組み替え――」
がちゃんがちゃんとDX超合金のように変形を開始した
「――犬、だな」
「可愛いわね~~」
「なんでまた犬!?」
「犬は古代ムーニー大陸の聖なる動物だからな!!」
どうでもいい蘊蓄を披露するヴィー隊員。
「変形完了、ゴッドワンコ!!」
それはどこからどう見ても巨大なヴィーグル犬で――。
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「――なんじゃあの薄らデカい犬は?」
ローディムーンが呆れている。が、すぐに眉を顰めて、
「まぁ、念のためじゃ。出でよ、オニツカゴス!!」
「ジーティーオー!!」
またもや巨大怪人が増えた。今度のは全身虎縞模様のリーゼントの陸上選手のような風体である。
「何処かで見たようなスニーカー履いてますね」
「うむ、あの特徴的な4本線は間違いなくアレだろうな」
「作者もそうとう投げ遣りになってね?」
そのオニツカゴス、クラウチングスタートの構えを取るや否や、変形を完了したばかりの
「む、いかん、速攻で来たか。気を付けろ、ヴィー!!」
「合点承知の助!!」
ゴッドワンコの両眼がキュピーン!と光ると、こちらもダッシュを始める。
「ありゃ?」
「ん?」
「なんか、競走始めちゃいましたよ?」
「こらーオニツカゴス!! 何をやっとるかぁーッ!!」
ローディムーンが叫んでいるが、まるで耳に入っていない様子。
そのオニツカゴスとゴッドワンコは長いこと校庭の陸上トラックをぐるぐる回っていたが――
「おや?」
「怪人がいませんよぅ?」
「ねぇ~~、何か良い匂いしてこない~~?」
「そう言えば、先程からバターの様な濃厚な香りがしますわね」
そう。
あまりにも高速で周回したオニツカゴスは、限界を超える遠心力と大気との摩擦熱で
「おやつはあんバタートーストも良いわね~~」
「そういう問題じゃ無いような(^^;」
「な……な……」
あまりのことにローディムーンはまたもや口パク金魚と化していたw
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「――とは言うものの」
ゴッドワンコは確かにスピードで攪乱してはいるものの、如何せん多勢に無勢。加えて飛び道具に対処する術を持たないため、アドバンデージは依然として敵方にある。
「このままではどの道ジリ貧ですわね」
「そうねぇ~~私は流石に巨大化出来ないし~~」
「せめてもう2~3体ばかり増援があれば――」
「――そろそろかしら?」
ソニア隊員が空を見上げる。
「――ソニア?」
シンク隊員が首を傾げた、その裏で。
「……うーん……こりゃもうやるしかないかなー☆」
「……うーん……勝手にやったら怒られそうだけど……非常事態だし(´・ω・`)」
お年頃の乙女達は悩みが尽きないようであるw
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「しかし、RAIDEENならそれこそヒビキが適任ではないのか、名前的に?」
「そこは作者も悩んだようだが、やはりあーいう厨二設定が会うのはヴィーだろうということでw」
「厨二とは無礼な。ボクはムーニー王家の末裔、つまりはお姫様。頭が高い、控え居ろう( *`ω´*) ≡3≡3」
「しかしこれ、マジで超者か勇者か無冠かカオスだなw しかも元ネタの雷電関まで入ってるしw」
「ザマンダーキングは流石に入れる余地がなかったそうだw」
次回、『三姉妹の大逆襲』闇より出で、地球を蝕む者達よ、
[L] ||||||||||||||||||||||||||
-dB 40 30 20 10 5 0 2 4 6 8 +dB
[R] |||||||||||||||||||||||
今回もカオスで済みません(^^;
次回、更なるカオスが読者を襲う!! (おぃ
私はライディーンは昭和世代です。超合金魂(人面岩セット)を買い損ねたのが悔やまれる……(´・ω・`)
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