tr.11 ラップdeファイト!! ラッピングバトル7×7 (前篇)
「ほーぅ、ならば貴様らにはこいつらとでも戦って貰おうか? ――トラップファミリアゴス略してトラファミゴス、参れ!!」
ローディムーンが上空の虎縞模様の円盤を見上げると、叫ぶ。またも上空の円盤から照射される光線――。
そこには、また新たな7体の巨大怪人が出現していた。
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「――なぁ、私は思うのだが――」
レッドタイガーSSことシンク隊員が戦闘員を蹴飛ばしつつ呟く
「――うーん、アタシも多分、同じ事思ってるなー☆」
戦闘員の攻撃を器用に避けつつ応えるミサ隊員。
「――やっぱり、アレですよねー(^^;」
遠距離から弓矢で援護しつつマキ隊員が続ける。
「ド○フ合唱団!! ジスイズ早口言葉!!」
無表情なドヤ顔という高等技術で締めるヴィー隊員。
「「「「合唱団が違う(違います)!!!!」」」」
敵の戦闘員は揃ってずっこけた。なんというか、お約束に律儀な奴らではある。
そう、新たに出現した7体の巨大怪人は、何というか、少年少女合唱団のような出で立ちであったのだ。
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その服装から察するに、男子2名、女子5名の混声合唱団。
但し、スケールが人類のざっと10倍ほどある。
その巨大怪人7体は、ローディムーンの笛の音に合わせて集合すると、最後のピッ!!という音に合わせて姿勢を正した。
「はーい、みんな揃ったわねー!!」
『
「――マリア? 先生?」
「てかローディムーンの奴、キャラ変わってね?」
「うーん~~美月ちゃんって本来、あんな感じでもなかったわよね~~」
「あれでは学校の先生か保母さんではないかw」
「んで先生、俺たちゃ何をやればいいのさ?」
怪人の中でも最大サイズの男子が問う。
「良い質問だね、ルーパート。簡単よ!! あそこの――」
先程出現したヴィークル達を指差し、
「ポンコツ共をギッタギタにしちゃって♥」
「おぇ☆」
「キャラ変わり過ぎだろアレ」
「で、でも、なんかこっち来ますよぅー(( ;゚Д゚)))」
「ご心配無用ですわ、皆さん」
ソニア隊員改めラ=ム姉さんが剣を高く掲げ叫んだ。
「我がダイアミクロンVが精鋭部隊、バトルラッパーズよ、
<< □ |> ○ || >> ♪ちゃーらららー、ちゃっ!!(アイキャッチ)
「ほらほらー、ヨハンナ、マルティナ、並んで並んで」
「おいこらウェル、走り回るな。お前はこっちだ」
「ヘート、
なんか最大サイズの男女の怪人2体が他の5体を甲斐甲斐しく世話している。
「……怪人なのにほのぼのしてる件」
「仲良しさんね~~」
「そういう問題では無いと思うのだが(-_-;」
やがて整列した7体の怪人合唱団。
「はい、揃ったわねー、では礼!! んでもってバックバンドー!!」
まだ先生モードのローディムーンが叫ぶと、先の7体の後ろに新たに2体の怪人が現れた。
「よし来たわね、ハチトラゴス、サントラゴス。演奏よろしくー!!」
「クラリオーン!!」
ハチトラゴスは巨大なカラオケセットの様な怪人で、胸から下が巨大なスピーカーになっている。両肩にはキャノン砲のようにマイクを掲げ、背負ったバックパックはどことなくカラオケテープの収納トランクに見える。
「O.S.T! O.S.T.!」
サントラゴスは巨大なフィルム映写機に手足が付いたような怪人で、胴体部分にはジュークボックスのようなモノが見えている。
「あーこのテメっ!! 俺のクラリオン音波砲をパクりやがったなー!!」
「あのー司令、そういう問題では無いと思うんですけど(^^;」
「――しかしあのサントラは光学録音なのか磁気録音なのか? 今、俺は猛烈に気になる!!」
「まーた司令のオーヲタ病が発症してるねー☆」
「言ってる意味が全く解りませんよぅー(´・ω・`)」
「ドンマイ、マキマキ。どーせ他の誰も理解出来んw」
そうこうしているうちに準備完了したトラファミゴスの7体+バックバンド2体。
ローディムーンが彼らの前に立ち、腰のサーベルを指揮棒のように振り上げる。
「では1曲目ー!!」
「ちょぉーっと待ったぁーっ!!」
突如として割り込んだ大声に不快げに片眉を上げてそちらを振り返るローディムーン。
『トランスフォーム!!!!!!!』
先程の精鋭部隊バトルラッパーズがその場で変形を開始したのだった。
次々と人型に変形していくヴィークルたち。
「おぉ……バルキ○ーか、レギ○スか!!」
「こっちはハンブ○ビーっぽいのが5体も」
「あの戦車型のはブ○ウルか!?」
「ブロ○ルは
「おぉ……ソニアがマニアックなことを……」
「間違うと本人が煩いんですの(--;」
「戦車道とはヲタの道と見つけたりw」
「あの
「……シンク、何を仰ってるのか解りませんわ(--;」
<< □ |> ○ || >> ♪ちゃーらららー、ちゃっ!!(アイキャッチ)
彼方、聖歌隊然と整列した7体のトラファミゴス+バックバンド2体+指揮者w
此方、ロックバンドのような7体のバトルラッパーズ。
F-5E戦闘機から変形した"タツヲ"がベース兼リードヴォーカル、オペルのスポーツカー・ティーグラから変形した"グラっち"がギター兼サイドヴォーカル、
残りの軽トラ変形組4体――朱色の"
一人、人型にならなかった巨大なデコトラこと"エルフィ姐さん"――姐さんというかオネエさんなのだが――は、荷台を展開させる。
全員がその荷台に飛び乗る。荷台は仮設ステージになっていた。尚、残る2体の大きめトラック――大きい方の"
「そっちが歌で来るってんなら黙っちゃ居られねぇ!!」
タツヲが巨大なベースをギュイン!!と鳴らして叫ぶ。
「歌ならアタイらも負けないわ!!」
グラっちがこれまた巨大なギターをギャギャーン!!と掻き鳴らす。
「……!!」
同意、とばかりに寡黙なキングがやはり巨大なドラムをズダダンッ!!と叩く。
「堪らないぜハニハニ!!」
キーボードをギュワィーン!!と弾きまくるガーさん。
「萌える
RAPが矢鱈と暑苦しいアキラ。
軽トラ4人衆はキャピキャピと好き勝手に何やら囀っている様子。
「ちょっとアンタ達ー、好き勝手くっちゃべってないで――」
デコトラのエルフィ姐さんが諫めるが聞く耳持たず。
「さっさと整列なさいっ!!」
そこにソニアことラ=ム姉さんの怒り心頭の鶴の一声。
バトルラッパーズ一同は一瞬で"気を付け"の姿勢になる。トー横前の集団から
「流石は悪役令嬢姉さんwww」
「あと作者の例えが昭和過ぎwww」
ニヤニヤする雨音指令とヴィー隊員に威圧を込めた一瞥をくれると、
「整列致しましたわね皆さん、返事は?」
『サーイエッサー、軍曹殿!!』(`・ω・́)ゝ
「今度は鬼軍曹www」
「恰好が鬼娘だけにwww」
ソニアことラ=ム姉さんから怒りの電流が漏れ出して冷汗が止まらないバトルラッパーズ。
「――ね、姉さんをおちょくるなんて……」
「なんちゅう命知らずな……(( ;゚Д゚)))」
タツヲとグラっちのガクブルが止まらない。
「くくく、まるで
普段の調子に戻ったローディムーンが挑発してくるが、
「あーら、性根の腐った悪の元締めがそれを仰いますの?」
口の悪さではこちらも負けていない。
「にゃ、にゃにおぅ!! えーいお前たち、やーっておしまいっ!!」
「あ、悪役令嬢が
「これじゃどっちが悪役か判りゃしねぇwww」
「……ヴィー隊員に雨音指令、ソニア隊員がさっきから睨んでますよ?」
六花秘書が呆れている。
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「ところでタツヲっちは
「それな。F-5Eならシンとか――」
「
「あー……(察し)」
「"タイガーⅡ"だから……」
次回、『ラップdeファイト!! ラッピングバトル7×7 (後篇)』俺の
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-dB 40 30 20 10 5 0 2 4 6 8 +dB
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えー……かなり間が空いてしまいました。読んで頂いていた方には申し訳ありません。
この後の展開にも絡んでくるのですが、バトルラッパーズの設定が更に二転三転したため、何度も書き直しておりました。
ぶっちゃけ単に順列組み合わせが上手くいかずに七転八倒していただけではあるのですが。
何の組み合わせかって? ――それは、追々明かされる予定です。ふふふのふ。
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