tr.09 紅い衝撃波

 シンク――仮面タイガーSuper Strongerは、両手を構えた姿勢から右腕を高く上げた。

「チャージうp!」

 全身が紅く輝く。

「超電磁エネジィ充填率120%、キャストおff!~からの~ブローうp!」

 彼女の全身を包む重厚なプロテクターが弾け飛び、あちこちから色々な角とかトゲとかが伸びている。体色も縞の部分が黒から赤になり、随分と派手になった。

「白い採石場マットのジャングルに、六甲おろしが吹き荒れる――レッドタイガーSS、見参!!」


 周囲の観客、もとい戦闘員の皆さんやS.S.M.軍団から大きな歓声が上がった。


「姐サーン!! ブラヴォー!! カッケー!!」

「オゥ……再ビ、ソノ姿ヲ見ラレルナンテ……」

 中には感極まって泣いてる奴までw


「カムヒヤ!! ダンボルジャイガンティス!!」

 仮面タイガー改めレッドタイガーSSがばちんと指を鳴らすと、彼方から1台の自動車が走ってきた。高さがかなり低く、横幅が広い。所謂スーパーカーという車種である。


「ねぇねぇヴィー隊員」

「ん?」

「アタシの眼の錯覚かもしんないけどさ、あの車って、近くに来てそうな割には音が遠くね?」

「ミサ、大丈夫。ボクも同じ事考えてた」

「それにしてもなかなかこっちに来ませんねぇ」

 退避中の隊員3人――ミサ、ヴィー、マキが首を捻っている間に、エンジン音は次第に大きくなり、車のシルエットも次第に大きく――。

「いや待て、ちょっとデカ過ぎんだろそれ」

「なーんか高さが5mはありそうなんだけど☆」

「なんかスケール感がおかしいですよぅー!!」


 そう。それは車の形こそしていても、その全長は優に50mを超えていた――!!


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 戦闘員の皆さんを盛大に跳ね飛ばしつつ急ブレーキで停止する全長50m余りの巨大なスーパーカー。

 あまりと言えばあまりの巨大さにあんぐりしていた敵味方一同だったが、ローディームーンが我に返って叫ぶ。

 

「ふん、LP400とは随分古臭いデザインだな、車検が切れておるのではないか、このデカブツ」

「貴様の両眼は節穴か、ローディムーンとやら。同じカウンタ○クでも最新型のLPI800-4にアップデートされているのが見て判らんか」

「ぐぬぬ……」

「環境にも優しい核融合ハイブリッドV120エンジンをミドシップに搭載したフルタイム4WDで悪路でも余裕の走破性、最高時速は地上で1,355km/h!」

 めっちゃドヤ顔のレッドタイガーSSにぐぅの音も出ないローディムーン。

「だ、だがッッ!! そんな馬鹿デカい車が来たところで何の役に立つというのだッッ!!」

「それをこれから見せてやろうというのさ――スタンダップ、ダンボルジャイガンティス!!」


 レッドタイガーSSの掛け声に応えるように、巨大なスーパーカーは徐々にその形を変えていき――やがて巨大な人型になった!!


「ダンボルジャイガンティス強攻型、アクセルオン!!」


 巨大な人型ロボットとなったダンボルジャイガンティスはゆっくりとその歩みをバッターロボの方へ向けていった。


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 一方、タイガーゴスの砲撃で壊滅寸前のバッターバース。


「あ、アカンアカンアカーン!! もう御陀仏やー!!」

「ダメージコントロールが限界に来ているわ、最悪、動力炉ごとこいつらを吹き飛ばすか――」

「ヤケクソになった人類が何をするか見せてやる――ってか? 穏やかじゃ無いねぇ、紫枝さん」

「蒼太、そう言うけど、最早打つ手無しよ?」

「紫枝はん、そんな殺生なー!! ――ん!?」

「どうしたの、由布子?」

「なんか馬鹿デカいのがまたこっち来よるで?」

「あぁ、この反応か――新手の敵かな?」

「それも堪忍やー!!」

「いえ、この動き、これは――」


 どーん!!


「「「!!!」」」


 突如、タイガーゴスが何かにぶつかられて仰向けに倒れた。

 よく見ると、それは4本の巨大なタイヤに見える。


「バッターチームの諸君、今だ、後退しろ!!」

 足下から声がする。

「ありゃ、さっきの虎はんや。なんか色が赤ぅなっとるな?」

「よく解らんが、チャンスだ。最後にイチかバチか、大六甲おろしー!!」

 バッターバースがジェイを押さえつけている怪人を後ろから引き剥がし、首の周囲から発生する強力な風と自身の投げ技で上空に放り投げた。

 投げられた2体は錐揉み回転をしつつ尻餅を身ついているタイガーゴスの近くに落下する。

「残念、ぶつけられなかったか。ま、ここらが潮時かな」

 全速で後退するバッターバース。

 レッドタイガーSSがそちらへ大きく手を振って見送る。

「さて、未だ多勢に無勢だが、どう攻めたものか――」


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「ふ、ふふふ、ふふふふふふふふ……」

 ローディムーンが据わった眼で何やら呟いている。

「全く、どいつも、こいつも、日々希ひびきの味方ばかり……こーなったら、もぉどーなっても知らないんだからッッ!!」

 上空の虎縞模様の円盤を見上げると、叫ぶ。

「ヂャイアント光線、一斉照射ッッ!!」

 円盤から虎縞模様の怪光線が地上へ放たれる。

 そして、その地上ではまたも巨大化する影が数体――


<< □ |> ○ || >>


「LP400とかLPI800-4とか何の記号なんですか?」

「その辺はG○○gle先生か、車ヲタのお友達に訊いてくれ、よい子たち!!」

「ここまでやりたい放題やって、元ネタが判る読者がいるのかコレ?」

「作者はもうそこらは完全に思考停止だか放棄してるなw」


 次回、『仏恥義理!バトルラッパーズ』俺のライムを聴けぇ!!


[L] ||||||||||||||||||||||||||

-dB 40 30 20 10 5 0 2 4 6 8 +dB

[R] |||||||||||||||||||||||


 えー、虎ネタで色々と捻り出しておりますが、流石にコレはどうなんだろう、と自分でも思ってしまう今日この頃(^^;

 細かいことは車と特撮に詳しいお友達に確認して頂ければ幸いです。(責任放棄)

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