tr.06 不滅の阪神・バッターロボ

「宇宙開発用変形合体ロボット・バッターロボだ!!」


 ドヤってポーズを決める雨音司令に、上空の飛行物体からツッコみが入る。


「ちょい待ちぃな雨音はん、アンタのと違うやろコレ」

「まぁまぁ、細かいことは気にしない!! 良く来てくれたバッターチームの諸君!!」

「相変わらずやなァあんさんw ま、エェわ。ウチ、バッターワンのパイロットやらせてもろうてます、三葉みつば由布子ゆうこだす。宜しゅうに~♪」

「――バッターニャンのパイロット、馬出居までい紫枝しえ。宜しく」

「バッタークマーのパイロット、観音みね蒼太そうたです。いやー、そちらは綺麗どころが多くて羨ましい限りですなー」

「蒼太はん、何か言うたか!?」

「何やら聞き捨てならぬ事を聞いたわね」

「いやーはっは、ただの挨拶だよー(^^;」


「――助けに来て貰って何だが、不安を禁じ得ないのだが」

「あら偶然ね、わたくしもですわ」

「みんな~~、戦闘員が来るわよ~~」

「あ、ヒビキパイセン、いつもの調子にもどった☆」

「流石は凹んでもヒビキちゃん」

「で、でもっ、なんかもの凄く多いですよぅ(( ;゚Д゚)))」


 そう。

 今回の戦闘員の数はいつもの比ではなく、正味100名は超えているようだ。

 戦闘員としては古式床しい全身黒タイツに覆面スタイルである。


「ここに来て年末在庫処分バーゲンセールだなこりゃw」

「そ、そういうモノなんですか……?」

「だってほら、よく見てみなよ、あいつらのマスク☆」


 ピンクの言うように、戦闘員の顔面を観察してみると、全く同じではなく、各人に微妙な違いがある。大多数は黒地に白の縁取りといった正統派スタイルであるが、時折、極彩色の覆面が混ざっている。どことなくメキシコプロレスルチャ・リブレの覆面レスラーっぽい。


「なんかあのカラフルな人たちだけ無駄にいい筋肉してますねー」

「あいつらだけ臨時雇いアルバイトか外人部隊的なのじゃね?」

臨時雇いアルバイトなら引っ越し屋の方が向いてそうw」


「こらこら、遊んどらんとさっさと迎撃の用意をせんか」

「そうですわよ、油断大敵。況してや今回はあの数ですわよ」


<< □ |> ○ || >>


[BGM]『六甲おろし』(若山 彰)


「ほな行くでぇー!! チェーンジ・バッターカケフ、ポチッとな☆」


 先程のバッターマシンが1・2・3の順で縦列編隊になり、次第に接近する。


「そう言えば司令、あのメカってどれも真っ白ですね」

「あれはテスト機だからなー。あの色はお約束だな」

「? そうなんですか?」

 厳密には白い機体の所々に黒と黄色の縞模様が入っている。工事現場の警戒色模様トラマークのようなものだろうか。


 3機のマシンが接近、やがてドッキング!


「あれ、ぶつかっちゃいましたよぅ(( ;゚Д゚)))」

「おいおい、君は合体ロボットアニメとか戦隊ヒーローとか見たこと無いのかね?」

「ありませんよぅ(´・ω・`)」

「まぁいい、大丈夫だから見ていたまえ」


 一つになったマシンが次第に人型に変わっていく。


「な、何ですかあれー……ぐにゃぐにゃ変形してキモいですよぉ」

「形状記憶合金だっつーの。まったく今時の若いモンは」

「おい司令、言うことが爺臭いぞw」

「うっせぇわw」


 やがて、完全に人型になった!!


「よーっしゃぁ、4番・バッターカケフ、行きまっせ~!!」


「1号機なのに4番って、意味分からないですよぉ(´・ω・`)」

「そこは吉田博士の命名なんで、俺に聞かれてもw」


 人型の巨大ロボットが地上に降り立つ。

 肩の突起が光り、そこから長い棒状の物体が射出された。


「超金属バット~!!」


 一同、ずっこける。


「な……何故、バット!?」

「言うてもコレ、テスト機やし」

「へ?」

「テスト機に武器とか積んどるかいなw」

「な……!?」

「そーいう訳で……」


 バッターカケフはその巨大な超金属バットを構えたまま、タイガーゴス・ヂャイアントへと走り出すと――、


「大阪名物タコ殴りやぁー!! 覚悟しぃやぁー!!」


 滅多打ちにし始めたw


<< □ |> ○ || >>


 一方、ゴスゴスの戦闘員はキャリブレンジャーとの戦闘に突入していた。


 が――


「暇だ」

「暇ですわね」

「同上」

「暇だねぇ☆」

「えーっと……(^^;」


 それもそのはず、ヒビキ隊員こと仮面レコーダーBlaMagが、押し寄せる戦闘員をちぎっては投げ、投げてはちぎる快刀乱麻っぷり。

 流石は元・ゴスゴスの次期基準王ラスボス候補、桁外れの強さである。


「もう、こっちはあいつ独りでいいんじゃないかな」

 レッドが所在なさげに独りごちる。

 しかし――


「お遊びはそのくらいにして貰おうか、ブラマグサン」

 ゆらり、と幽鬼の如く介入するローディムーン。


「あれ、復活した」

「意外としぶといねぇ☆」

「シャーラーップっっ!!」


 怒り心頭のローディムーンが剣を一振りすると、そこから暗緑色の稲光が四方八方に弾ける。


「きゃ~~っっ!!」

「うおっ!!」

「あぁっ!!」

「うわっちち!!」

「ひぇー☆」

「いやーっ!!」


 稲光の直撃を受け、倒れ込む6人。


「もーぅ完全に頭に来た!! 貴様らは楽には死なせぬ!! 覚悟するが良いッッ!!」


 磁帯戦隊(feat.BlaMag)、絶体絶命――!


<< □ |> ○ || >>


 一方、バッターロボ vs タイガーゴス・ヂャイアント。


「大阪名物・タコ殴りやー!!」

 巨大バットでタコ殴り攻撃を敢行するバッターカケフ。しかし―。


 ボキッ☆


 デカいとは言え所詮はバットのため、金属疲労を起こして真っ二つに折れてしまったw


「えーっ!! ちょぉ待ちぃや、このバット、超金属ハンシニウム製や無かってん!?」

「由布子、ハンシニウムの特性は可塑性と形状記憶保持性であって、剛性や硬度はそこらの鉄と大差ないわよ」

「そんなー!! ウチ聞いてへんし(´・ω・`)」

「博士から説明があったでしょう。きちんと聞いておかないから……」

「はっはっは、こいつは困ったなぁ」

 呆れたように溜息を吐く紫枝と、全く困って無さそうに笑う蒼太。

 それはそれとして。

「げ、ヤバ!!」

 今の今までタコ殴られていたタイガーゴスがギロリ、とこちらを睨んだ。

「あ、アカン~~もう武器が……(( ;゚Д゚)))」


 バッターロボ、絶体絶命――。


<< □ |> ○ || >>


「絶体絶命のダブル役満とかあざといにも程があるだろ作者」

「いやいやヴィー隊員、こんなもの全盛期のジャ○プに比べたらw」


 次回、『いざ逝け!!レスラー軍団(題バレ)』仏恥義るゼ!!


[L] ||||||||||||||||||||||||||

-dB 40 30 20 10 5 0 2 4 6 8 +dB

[R] |||||||||||||||||||||||


 全国の阪神ファントラキチの皆様、御免なさいもうしません(たぶん)。

 しかしバッターロボはあと2形態残っております。平にご容赦下さい(反省の色まったく無し)。

 尚、作者の大阪弁知識はほぼ吉本新喜劇経由のため、かなり怪しいのは重々承知しております。

 ツッコんだらあきまへんえ~(←グダグダ)。

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