Bonus.1 - tr.7『劇場版 磁帯戦隊キャリブレンジャー! -出陣!!新たなる戦士-』
遂に我らが磁帯戦隊は勝利したのだ!!
やったぞキャリブレンジャー!!
強いぞキャリブレンジャー!!
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「……って感動的なとこ悪いけどさ」やれやれ、とピンク
「陰険眼鏡が絶賛遁走中の件」ジト目のブラック
そう。キョエロドンが爆散するや否や、不利と見て取った陰険…もといオングーロは司令船に飛び乗り逃げにかかっていた。
「本当に、逃げ足だけは速いですわね」
「落ち着いている場合か!! あのスピードでは追い付けんぞ」
「でも~~これ空飛べないわよ~~」
それを聴いていた雨音指令、待ってましたとばかりに叫ぶ。
「むぁかぁせぇたぁまぁえー!!」(※「任せ給え」)
「こぉーんなこともあろうかと!! グリーン、キャリブレーション・クロスだ!!」
「は、はーいっ!! きゃりぶれーしょん・くろす、スタートっ!!」
天井のレバーを引いたグリーンの掛け声と共に、キャリプルーンがキャリブレイヴァーに向けて飛んでいく。
同時にキャリブレイヴァーがその巨体を振るって走り出す。
「あらららら~~」
「な、なんだ、勝手に走りだしたぞ!?」
「こちらの操縦を受け付けませんわっ!」
「心配には及ばんぞ諸君!! 今はオートパイロットでキャリブルーンの制御下に入っているのだ!!」
「ンなことはやる前に言ってよー☆」
「まーた知らん間に妙な改造してやがる」
なんてことを言ってる間に、両機の間隔が縮まっていく。
え? そんなに離れてたかって? そこは演出だから細けーこたぁいーんだよ。(開き直り)
やがて、キャリブレイヴァーは足裏と背部からロケット噴射をして空中へ勢いよく飛び上がった!!
そこへキャリブルーンが背後から接近し――
「ぶ、ぶつかるんじゃね!?」
「今だ!! キャリブレーション・クロス!!」
しゅびっ!!とポーズを決める雨音指令。
「はいっ!! きゃりぶれーしょん・くろーすっ!!」
グリーンが左右のレバーを同時に引く。
空中で濃厚接触する両機。
がしーん!!という衝撃と共に、キャリブルーンはキャリブレイヴァーの背中に接続された!!
「が…合体、したのですかしら?」
「そうみたいね~~」
「おぉ…劇場版で空中合体…も、燃える……」
「死ぬかと思ったよー☆」
「指令は後でシバき倒す( ≖ὢ≖)」
「み、皆さーんっ!! 合体完了でーすっ!!
「では、あの陰険眼鏡を追いますわよっ!!」
「よし。火器管制はこちらで」
「ダメコンは任せて~~」
「頼むぞブルーは操縦を~見張れよピンクはレーダー♪」
「てかブラックも仕事しなよ(^^;」
「あの~、私は何をすれば……」
「ボクと一緒に高見の見物w」
「ちょっとブラック、ECMとECCMは大丈夫ですのっ!?」
「ボクに抜かりは無いのだw」
「あの~、私は……」
「あーあー、グリーン、君はキャリブルーンの火器管制を頼む」通信で割り込む指令。
「はーいっ!!」
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「お☆陰険眼鏡が見えてきたよん!!」
「では攻撃を…っと! この姿勢では
「あーあー、こちら雨音。キャリブルーンの武器を使い給え。キャリブレイヴァーと合体することでより強力な武器も使用可能となっている」
「こちらレッド、了解。よし、グリーン、頼むぞ!」
「はいっ!! えーと、遠距離はこれ? すぺーすろーりんぐさんだーっ!!」
キャリブルーンの機首両脇から高速で射出される稲光状の光線。1ピコ秒間に5発も発射されるんだ!! 発射時に何故か「Woo!!」と謎の効果音が出るけど仕様だから気にしちゃいけないぞ!!
「ぬぉぉぉぉっっっっ!!!!」
機体後尾に直撃を受け、オングーロの母船の速度が鈍る。ここぞとばかりに追い縋るキャリブレイヴァー。
「足止めをしたいですわね。攻撃範囲の広い武器はありまして?」
「こ、これでしょーかっ!? にーどるすとりーむっ!!」
キャリブルーンの垂直尾翼付け根の6対の射出孔から放射される針状の光弾。末広がりに飛散し、敵母船後部に満遍なく命中する。やがて、そこかしこから火の手が上がり、母船の速度が目に見えて落ちる。
「ぐぉぉぉぉっっっっ!! 消火装置!! 自動修復装置!!」
船内ではオングーロが絶叫している。
「そろそろとどめかしらね~~」
のほほんと物騒なことを宣うイエロー。
「一丁、ド派手なので逝ったってやぁ凸(゚皿゚メ」
ブラックが完全にブラックな感じになっているw
「えーっと、んーと、これ!? すぱいかーろーたーっ!!」
キュピーン!とキャリブルーン両翼のローターが輝くと、ローターブレード枠の周囲に鋸状の刃が現れた。見た目は丸鋸のようだ。
「このまま突っ込んでくださーいっ!!」
「解りましたわっ!!」
ブルーがフットレバーを押し込み加速をかける。先程の刃が回転を始めた。
そのまま、ローターブレード枠を敵母船にぶち当てる。バターでも切るように裂けていく外壁装甲。
追い抜きざま反転し、今度は反対側を切り裂いていく。船内はあちこちで爆発が起こっており、墜落寸前だ。
「ぐぉぉ…ぐぬぬ…無念…もはやこれまで……」
オングーロの断末魔を聞いた者はいたのだろうか。
やがて、各所で起こっていた小爆発が拡大していき、遂に母船は大爆発を起こした。
『長き戦いの末、遂に大参謀・陰険眼鏡…もといオングーロは滅びた……だが、悪の帝国を倒す日はまだ遠い』
『その日が来るまで、戦え!キャリブレンジャー! 負けるな!キャリブレンジャー!』
<完>
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「……いや、<完>じゃねーだろおい」
「どうしたの~~?」
「母船は墜ちたけどなんかちっこいのが飛び出してった件」
「脱出艇かっ!? いかん、早く追撃を――」
「ホントに逃げ足だけは速いよねー☆」
「皆さん、行きますわよっ!!」
ブルーがフットレバーを思い切り踏み込んだ、が――
ぼふん!!
キャリブルーン両翼端部のローターから白煙が上がった刹那、回転が停止した。
「えっ!?」警報が鳴り響く操縦席で固まるグリーン。
『Emergency! Emergency! 不測の事態により本機は停止しました……再起動します!』
操縦席の画面は全てブルーアウトしており、小さく<Now Reboot>とだけ表示されている。
「グリーン、何があった!?」レッドが叫ぶ。
「わ、わかりませーんっ!! なんか急に画面が全部青くなって、再起動するとか……」
「再起動っておい、今空飛んでんだがそれは」
「てゆーか落っこちてるんだけど」
「あらら~~困ったわね~~」
「くっっ!! せめて広い場所に不時着を…」
ブルーが必死に姿勢制御を試みるが、落下を止める術もなく――
ぐわっしゃーん!!
身長57メートルのキャリブレイヴァーの巨体は鹿苑木高校の校庭に墜落した。
その550トンの体重に耐えかね、校庭は摺鉢状にめり込んでいる。
「いてて……☆」
「びっくりしたわ~~」
「これはもうどうしようも無いな」
「やっぱりフラグだった」
「す、済みませーん(´・ω・`)」
「
こちらに向かってくる雨音指令をキッとばかりに
「無事か諸君? いやー済まん済まん、オートパイロット2.0にバグがあったようだ」
ブルーの怒りを知ってか知らずか、テヘペロ、といった軽いノリで言う。
そしてそれを聞いた当のブルーは――
「……きょう・い・ち・ろ~ぉ!!」
背後からもの凄いオーラを発現させて怒りに震えている。
いつになく本気モードのブルーに、普段はここでイジりにかかるブラックですらピンクと抱き合ってガクブルしている。
グリーンに至っては恐怖の余り涙を溜めて口をぱくぱく。これでは酸欠状態の金魚だ。
レッドはとイエローは慣れているのか、溜息を吐きつつ呆れているが。
「
「ちっちっちっ、ソニアくん、ここでは指令と呼びたまえ。あ・ま・ね・指令。understand?」
「そーゆー問題ではありませんっ!! 大体、普段から安全には注意なさいとあれほど――」
「いやーははは。まぁ今回は緊急事態だったしぃ~、初物にバグがあるのは仕様が無いってどっかの偉い人が言ってたしぃ~」
「論点をズラさないで頂ける!?」あと語尾がウザいw
「取り敢えず陰険眼鏡はフルボッコで追っ払ったから結果オーライってこって――」
ここで救いの神降臨。
「まぁそうね~~学校も無事だったし~~」
「そうだな。みんな疲れてるだろうし、一旦基地に戻ろうか」
「ちょっと!?
「……いつも思うんだけどさ、これただの痴話喧嘩じゃね?」
「マキマキと司令の場合は夫婦漫才だけどなw」
「え!? 夫婦って!? ち……違……」
ピンクとブラックにイジられて顔面が茹で蛸と化しているグリーン。
そんなこんなで、今日も地球の平和は守られた……のか!?
後日。
この時のキャリブレイヴァー不時着の衝撃で部室の機材は殆どが落下していた。
雨音指令は、三徹した。
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ED主題歌『立て!キャリブレンジャー』
唄:たいらあをゐ、鹿苑木高校電音部
作詞:ヴィクトリア・N 作曲:羽田健太郎
♪立て!キャリブレンジャー 今は立て! 秘めたその音、解き放て!
母なる
怒れキャリブルー 止めろキャリブレッド 癒やせキャリブイエロー 廃部阻止!
立て!キャリブレンジャー キャリブレーション!
磁帯戦隊キャリブレンジャー!
♪立て!キャリブレンジャー 今は立て! レベルメーター、目を上げろ!
果てなく深いこの部室 奪う相手は誰なのか
逝けキャリブグリーン 萌えろキャリブピンク ドヤれキャリブラック サボりの日w
立て!キャリブレンジャー キャリブレーション!
磁帯戦隊キャリブレンジャー!
♪撃て!
立て!キャリブレンジャー キャリブレーション!
磁帯戦隊キャリブレンジャー!
[完]
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G.W.期間中、連日公開!!
なんとか期間中に完結できました……お楽しみ頂けましたでしょうか?
大参謀オングーロ、ブラック、ピンクについては追って公開予定の本編Disc.2をお楽しみに!! (おぃ)
今回のキャリブルーンの武器の元ネタは、前回の武器の元ネタになった作品の関連作品の主役メカです。
知ってる人はかなりディープな人かも……奇しくも3作品全て、過日逝去された菊池俊輔先生の担当ですね。
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