Bonus.1 - tr.6『劇場版 磁帯戦隊キャリブレンジャー! -出陣!!新たなる戦士-』
「Hey,Siki!! 発進!!キャリブルーン!!」
『Attention! Attention! 本機はテスト未了のためβ版です。未知の不具合が想定されますが、発進しますか?』
「構わーんっ!! 出せ!!」
『Yes,Commander.発進許可を受領しました。これ以降は何かあっても自己責任となります』
「ちょ、ちょっとキョ…指令、なんかさらっと気になること言ってますよぅー!!」
「どわーぃじゃうぶ!! 初期不良が怖くて新型が使えるか!!」
「……ウチの指令も大概だな」
「何を今更www」
「ほんそれ」
「無神経が服を着て歩いているようなものですわね」
「ブルー、言い方~~(^^;」
やがて。
遠くからローター音が響いてくる。
近づくにつれ轟音となるその機体は鮮やかな緑色に彩られていた。
「ふははははははは!! さぁさお待たせ、見よこの勇姿!! キャリヴィークル6号、キャリブルーン!!」
「きゃー!!きゃー!!かっこいー!! 大っきなヘリコプター!!」
さっきの不安は綺麗さっぱり忘れてグリーンが
「ふっふっふそうだろうそうだろう。あとヘリじゃなくティルトローターな」
その緑色の機体は一見、通常の航空機に見える。が、特徴的なのは翼端にある巨大なローター。このローターが可動することで垂直離着陸はおろか飛行時の自在な姿勢制御を可能とした。ざっくり言えば何かと話題のオス○レイの同類である。
「……墜落フラグがガチな件」
「完全に否定出来ないのが(^^;」
「皆さんっ、敵に集中なさってっ!!」部長はつらいよ。
「では、マキく…もといグリーン、行け!!」
「え!?」
「いや、アレお前の担当だから」
「えええええーーーーーっっっっっっ!!!!!!」
「大丈夫大丈夫。訓練通りやりゃぁ出来るって」
「で、でも、その、心の準備が……」
「キャリブグリーン!!」
ここでいきなりマジ顔になってグリーンの肩をがしっ!!と掴む指令。
「んなっ!?」ブルーの額に青筋がピキピキ。
「おおっ☆」ピンクが眼をキラキラさせている。
「あらあら~~」
「セクハラ案件ぞなもし」
「まぁ待てみんな。ここはもう少し様子を……」
と言いつつ興味津々さを隠す気もないレッド。
「あの厳しい訓練の日々を思い出せ!! 俺はお前を信じる!! ま、ウチのは全機オートパイロット2.0搭載だから最悪手放しでも動くしなw」
「指令……」目がウルウルしているグリーン。チョロすぎ。
「さぁ行け!! この危機を救えるのはお前だけなのだ!!」
「はーいっ!! キャリブグリーン、行きますっ!! といやっ!!」
しゅたっ!と飛び上がり、キャリブルーンに搭乗するグリーン。
「やれやれ、無事に説得できたか」
「壁ドンか顎クイくらいやってよー☆」
「うふふふ~~」
「てかマキちゃんチョロすぎw」
「まったく、あの馬鹿指令……」
「はーっはっはっ!! なーにを今更、蚊蜻蛉が1匹増えたところで焼け石に水であろうがぁーっ!!」
あ、忘れてた。そういやこいつまだ居たな。
「征け!!キョエロドン!! あの目障りな蚊蜻蛉を叩き落としてやれーっ!!」
すっかり陰険眼鏡モードが復活したオングーロ、その名に違わぬ陰険な命令を発した。
「キョェェェェーーーーッッッッ!!!!」
キョエロドンはキャリブレイヴァーに向けていた攻撃をキャリブルーンに集中させる。
「えっ!? わっわっわっ!! ちょっと待って!! きゃーきゃーきゃーっ!!」
突然の猛攻に慌てて右に左に上に下にと避けるグリーン。そこはそれ、元々機動性重視で小回りの利くティルトローター機に最新の自動操縦アシスト機能も相俟ってキョエロドンの攻撃を全て躱している。
「……な、なんと……」またもや顎ガックンなオングーロ。
「ざまぁwww どんだけ威力があろうが、当たらなければどうということは無いっ!!」
ふんす!と鼻息も荒くドヤる雨音指令。相変わらず大人げない。
「さぁ反撃だ、グリーン!!」
「はーいっ!! じゃ、これ? ハリケーンビームっ!!」
両翼端のローターが輝き、緑に輝く光の渦が伸びる。そしてキョエロドンに直撃!!
「ギョェェェェーーーーッッッッ!!!!」
黒い翼に穴を穿たれ、堪らず失速するキョエロドン。
「次、行きますっ! トリプルカッターっ!!」
機首付近のデルタ型先尾翼と垂直尾翼が輝き、それぞれから光の刃が飛び出していく。3枚の
「モー駄目!! 限界っ!!」とうとう墜落するキョエロドン。
「んなっ……何故だっ!! 何故そっちの攻撃は当たるっ!!」
混乱するオングーロ。こりゃもう顎関節脱臼は治らんなw
「だーから貴様は阿呆なのだぁーっ!!」
びし!!と突然上から目線で決めつける雨音指令。これではどっちが悪役だか判らない。
「お前んとこの馬鹿烏は速いだけで動きが直線的なんだよ!! 先が読めればどーってこと無いね!!」
「ぐ…ぐぬぬ…おのれ……」
悔しさの余りぎりぎりと歯噛みし目を血走らせるオングーロ。かなりキモい。
「さぁ諸君、とどめだ!! 馬鹿烏に引導を渡してやれ!!」
「「「「「らじゃ!!!!!」」」」」
「ふふふふふふ……よくもやってくれやがったなこん畜生……ウラミハラサデオクベキカ……」
なんかブラックがかなりブラックになっている。
「ここはじわじわと嬲り殺しにして地獄をみせたるんじゃぁー!!」
「ぶ、ブラックさんが怖いですよぅ~(( ;゚Д゚)))」
「落ち着けグリーン、あれくらいは平常運転だ」とレッド。
「油断大敵ですわよ。一気に参りますわ!!」
「それじゃ~~、これかしら~~」
ポチッと何やらスイッチを押すイエロー。
「よっ☆待ってましたぁー!!」
ドンドンパフパフー!!と囃し立てるピンク。
「……それでは参りましょう。お覚悟遊ばせ!!」
「「「「「ゴールデンヴァーテックスフレアー!!!!!」」」」」
キャリブレイヴァーの腹部にある楕円状のパーツが黄金色に輝き、膨大な光の奔流が迸る。
それは一直線に馬鹿烏…もといキョエロドンに向かうや否や、その全身を包み込み、爆散した!!
「ギョェェェェーーーーッッッッ!!!!」
それは怪鳥の断末魔の咆吼であったか。
遂に我らが磁帯戦隊は勝利したのだ!!
(♪~感動的なBGM)
やったぞキャリブレンジャー!!
強いぞキャリブレンジャー!!
<< □ |> ○ || >> ||||||||||||||||||||||||||
G.W.期間中、連日公開!!
期間中に完結予定(たぶん^^;)
大参謀オングーロ、ブラック、ピンクについては追って公開予定の本編Disc.2をお楽しみに!! (おぃ)
さて、今回のキャリブルーンの元ネタは何でしょう?
名前はとある戦隊メカ、武装は某アニメロボのサポートメカです。
共通点としてはどちらもローターを備えております。
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