Bonus.1 - tr.5『劇場版 磁帯戦隊キャリブレンジャー! -出陣!!新たなる戦士-』
「――ふむ、オングーロ
総司令グルンディッヒが呆れたように嘆息する。
「ふんッ!! こぉれだから口先だけの若造はッ!!」
大将軍ブラウプンクトが鼻息荒く罵る。
「フェッフェッフェッ、そろそろアレの出番ですかのぅ」
科学長官テレフンケンが嘲るように言う。
「そろそろ良かろう。これで奴も我々に頭が上がらなくなろうて」
「流石は総司令閣下!! これで奴の小生意気な鼻っ柱をへし折ってやれましょうぞ!!」
「フェッフェッフェッ、それでは発進シークエンス、開始しますじゃ」
悪の組織もイロイロと大変そうである。悪じゃなくてもそれなりに大変だけどね。
<< □ |> ○ || >>
「――で、どーするのかなぁ~陰険眼鏡くん~(・∀・)ニヤニヤ」
さっきまでのお返しと、ここぞとばかりにドヤる雨音指令。お、大人げ無い……
「ぐぬぬ……」返す言葉も無い陰険眼鏡。
「女子のぐぬぬはご褒美だが野郎のソレは鬱陶しいだけ」
追い打ちを掛けるブラック。そろそろオーバーキルよ?
さてこいつどーしてくれよう、と一同が思案したその時――
キョエェェッッッ!!
耳を
「きゃあぁぁぁ~~!!」
「今度は何ですのっ!?」
「黒い怪鳥…ラド○か、○ドンなのか!?」
「いやいや、怪鳥とくればロプ○スだろJK」
「リ○ラーっ!!」誰だレイオニクスに覚醒したのw
なんてやってるうちに、件の黒い怪鳥は上空を旋回しつつ、何か叫んでいる。
「オングーロ!!オングーロ!!」意外に可愛い声。
「おおっ!! これが例の新型か!! 助かった!!」
「ねぇねえ、助けて欲しい?」
「――へ?」ぽかーんと固まるオングーロ。
「助けて欲しかったら、私めは総司令閣下の犬です!!下僕です!!の後に3回廻ってワン!!からの~足を上げてチンチン!!して!!」
「な……な……」完全に思考が追い付いていない模様w
「やんないなら助けてあ~げないっ!!」
「ぐぬぬ……」葛藤している。
「――何というか、悪の組織も大変だな」
「ちょっとかわいそうかも~~」
「悪逆無道の輩など同情に値しませんわっ!!」
「絵に描いたような自業自得w」
「あんなオトナにはなりたくないよね~☆」
「み、皆さんっ!! 今のうちにとどめを――」
生真面目なグリーンが我に返って訴えるも、
「まぁまぁ、ちょっと待っとこうよぉ」
「取り敢えずチンチンまでは待つべし」
「うむ、奴がどうするか見物ではあるな」
それでいいのか正義の味方。
そして数分の逡巡の後――オングーロは敵の目前でチンチンという羞恥プレイを行い、その一部始終を爆笑しながら見物していたキャリブレンジャーの面々(雨音指令含む)は、今日はこれでお終いとばかりに帰宅モードに入っていた。おいちょっと待て。
無論、それをハイそーですかと黙って見送る陰険眼鏡(SAN値ゼロ)の筈は無く――
「……ふ…ふははは…これでもう私には捨てるものなど無ーい!! ――って、そこ!! 逃げるなぁー!!」
「……な、なんか完全に目が据わってますよぅー(((;゚Д゚)))」
「うーむ、ちょっと好奇心が過ぎたかなぁ(-_-;」
「なんか明らかにヤバいゾーンに入ってる希ガス」
「仕方ありませんわねぇ」
――と、仕方なく、ほんとーに仕方なく回れ右をしたその時。
バカーーー!! バカーーー!!
くわっと見開いた黒い怪鳥の嘴から熱線砲が放たれた!!
「くっっっ!!」
「きゃぁぁぁ~~!!」
「今度は熱線ですのっ!?」
「ぅわっちちちちち!!」
「ちょ、これマジピンチじゃね!?」
「いかん、諸君、キャリヴィークルを出すぞ!!」
「そりゃいいけどさ、指令」
「ん?」
「マキちゃんがこっちに居るってことは、誰が発進させんのよ?」
「ふふふふふ……」
指令が下を向き額に片手を当てたネ○フの指令っぽいポーズで不敵に嗤う。なんか悪役っぽい。
「こぉーんなこともあろうかとぉー!!」
一転、突如ハイテンションで立ち上がって叫ぶ。
「基地内部もスマート化しておいたのだー!! ギガビットLANも5Gも使い放題!! そして、」
左腕のスマートウォッチを顔に近づける。
「スマホからエアコンも録画予約も、あまつさえメカの発進もOK☆」キラリン☆のエフェクトがウザい。
「てな訳で!! Hey,Siki!! 発進!! キャリヴィーっクルっ!!」
何故か背景で♪ワンダバタバダ~と勇壮な男性コーラスが鳴ってると思ったら、指令のスマホの呼び出し音のようだ。
「録画予約も出来るなら~~今夜の月9、録っておこうかしら~~」
「エアコンの予約も入れておきましょうか」
「そうだな。ぼちぼち寒くなりそうだ」
「み、皆さん、なんでこの状況でそんな日常会話が(( ;゚Д゚)))」
「まぁ、いつものことだし☆そのうち慣れるって」
「それな」
「ぶわーっはっはっはーっ!! やれー怪鳥キョエロドン!! 潰せ!!壊せ!!破壊せよー!!」
オングーロは猛り狂って吠えている。キザ男の陰険眼鏡がキレると怖い。
そこへカラフルな光線が飛んできた。それを喰らった怪鳥が落下しかけて慌てて体勢を立て直す。
「今だっ、諸君!!」指令が空を指し叫ぶ。
「「「「「「といやっ!!!!!!」」」」」」
一斉にジャンプし、各ヴィークルに搭乗するキャリブレンジャー。再度、一斉攻撃を仕掛ける。が――
「くっっっ!! こいつ、図体の割に素早いぞ!!」
「こっちの攻撃もあんまし効いてないみたいだけどっ!?」
「バリアか何か張ったみたいね~~体表が淡く光ってるわ~~」
「それなんてフェイ○シフト装甲? チート過ぎ(-_-;」
「このままでは埒が明きませんわっ、合体しますわよっ!!」
「「「「「合体!!!!! キャリヴィークル!!!!!」」」」」
きゅぴーん!!という音と共に各ヴィークルの機首や翼端の警告灯が明滅を始める。
各機のコクピットでは合体シークエンスに移行を始めたガイダンスが流れ始めた。
『Start combine sequence! …Vehicle 1 to 2 pairing! 1 to 3 pairing! 3 to 4 and 5 pairing!』
頭部と上肩部を構成する青色のヴィークル1と両腕部を構成する赤色のヴィークル2、胴体部を構成する黄色いヴィークル3が縦列に並び、続けて後ろに左右の脚部となるヴィークル4と5が並列する。
「合体シークエンスだとやはり元祖の俊輔先生が…いや戦隊なら宙明先生も……」
「5機合体だけに亜星先生じゃね? ボク的には」
『All compornents stand by! Combine start!』
各ヴィークルが次々に接続され、徐々に組み上がっていく。
そして、垂直方向に回転し着地――!!
5機のヴィークルが合体し、顕現した全長57メートル重量550トンの空に聳える
「「「「「完成!!!!! キャリブレイヴァー!!!!!」」」」」
「きゃーっ!! きゃーっ!! 凄ぉーい!! 大きい!! かっこいい!! やっぱり生合体は迫力ありますねー!!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねながら喜ぶグリーン。
「ふっふっふ。そうだろうそうだろう。マキくんはいつも司令室からモニター越しだったからなぁ」
これ以上ないドヤ顔で頷く雨音指令。
「やはり合体こそ男の浪漫!! どーだ見たか陰険眼鏡!!」
子供かよ、この指令w
ところが、意外と冷静な陰険…もといオングーロ。
「だーっはっはっは!! 愚かなりキャリブレンジャー!! 我々とてただ手を
そう。
オングーロの言葉通り、高速機動をしつつ攻撃するキョエロドンに対し、飛行能力を持たないキャリブレイヴァーは火力でこそ劣らずとも、攻撃をなかなか当てられず苦戦していた。
「なんぼ火力があったところで飛べない木偶は只の的だぁ!! とどめを刺してやれ、キョエロドン!!」
その声に応じて、絨毯爆撃に加え熱戦砲その他諸々の破壊光線を撃ちまくるキョエロドン。
「きゃあぁぁぁ~~」
「ま、まずい。このままではジリ貧だっ!!」
「ちょいちょーい、これってかなりヤバいんじゃ!?」
「なんか死亡フラグ決定ぽい希ガス」
「皆さんっ!! 諦めてはいけませんわっ!!」
「きょ…指令、な、何か無いんですかー!? ここで一発大逆転的な!!」
「致し方なし……まだテスト前だがアレを出すか……」
スマートウォッチに向かい叫ぶ雨音指令。
「Hey,Siki!! 発進!!キャリブルーン!!」
<< □ |> ○ || >> ||||||||||||||||||||||||||
G.W.期間中、連日公開!!
期間中に完結予定(たぶん^^;)
大参謀オングーロ、ブラック、ピンクについては追って公開予定の本編Disc.2をお楽しみに!! (おぃ)
黒い怪鳥の元ネタは言うまでもなく江戸川在住の例の烏です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます