Bonus.1 - tr.4『劇場版 磁帯戦隊キャリブレンジャー! -出陣!!新たなる戦士-』

「コード1000サウザンド、アクティブイヤーピース!!」

「「「「「らじゃ!!!!! コード1000サウザンド、アクティブイヤーピース!!!!!」」」」」


 キャリブレンジャー各人の両耳に装着されたイヤーピースが輝きを放ち、次第にそれが収まっていく。それにつれ、あれほど響いていた騒音も振動もぴたりと収まった。

「おぉ……静か……指令GJ」

「あれ? でもお互いの声は聞こえてね?」

「そういえばそうね~~不思議~~」


「……んなっ……ななな……」

 オングーロが驚愕のあまり顎がっくん状態で固まっている。顎関節脱臼は癖になるから気を付けろよー。

「どぅわーっはっは!! ざまぁ陰険眼鏡!! これで貴様の騒音は屁でもないze☆」

 ドヤ顔の雨音指令。ウザ。

「さて、そこのポンコツ怪人にとっとと引導渡してやれ、マキくん!!」

「はーいっ!!」

 背負い式ロケットを空中でパージして叫ぶマキ秘書。これこれ危ないぞ。

「危ないというか死ぬぞおい」

「ちょ!!ちょちょちょ!!マキちゃーん!!」

「危ないわよ~~」にしては緊迫感がないw

「マキさんっ!?」

「いかん、マキくんっ!!」

 真っ先に彼女の落下予想地点に駆けだしたレッドとブルーは流石というべきか。

「だーいじょーぶですっ!!」

 雨音指令ばりのドヤ顔で右手の二本指を立ててキラッ☆なポーズを取りつつ、透明なカセットテープを取り出した彼女は叫ぶ。

「すたーと・きゃりぶれーしょんっ!!」

 そのカセットをベルトのバックルに以下略。

「……また手を抜きやがったなこの作者」だって面倒なんだモン☆

「きゃりぶれーと・ちぇんじっ!!」

 空中で彼女の身体が緑色に発光する。そしてそれが収まった頃には――

 鮮やかな緑色の強化服に身を包んだマキ秘書――いや、キャリブレンジャー6人目の戦士の姿があった。

「おぉ……劇場版で追加戦士と来たか……燃える…これは燃える……」

 何やら感動に打ち震えるレッド。

「緑の追加戦士とか…それ死亡フラグだぞマキマキー!!」いや死なない死なない。

 そんな先輩たちの葛藤を余所に。

「新緑のタフネス!! キャリブグリーン!!」

 初々しくも凜々しくポーズを決めるマキ秘書改めキャリブグリーン。後ろで盛大に緑色の爆煙が上がったのは言うまでも無い。

「マキさん……貴女あなたいつの間に……」

「ゴメンなさいぶちょ…ブルー。指令が面白いから秘密にしとけって……」

「そんなことだろうとは思ったが」呆れ顔のレッド。

「そう言えばあちらは静かね~~」

 イエローの声に敵の存在をすっかり忘れていた一同が振り返ると――


「グガッ……ガガガッ……」

 先程パージしたロケットが脳天に直撃したのか、オングーロも怪人も悶絶していた。

「……お、おのれ……キャリブレンジャー……」あ、生きてたw

「へっへーん☆ もうそっちの騒音は聞こえないからへっちゃらだもんねー☆」

「往生しぃや」誰だこの姐さん…あ、ブラック?

「こうなったらフルブーストで喰らわせてくれる!! どちらが先に倒れるか、勝負!!」

 完全に目が据わっているオングーロ。とうとうキレたか。

「メガロゲーロ(改)、ドデカフォニック展開!!」

 怪人が胸部のプロテクターを掴んで左右にめりめりと開く。内部には左右一対の巨大なスピーカーが鎮座している。

 オングーロがまたもやマイクを構え、今度は絞り出すように唸り始める。

「……ごぉっっっど…ぐぉぉぉっっっど…らぁ…むぅぅぅぅぅ!!」

「ケゲロゲーロ!!」

 突然、怪人の胸部スピーカーから音にならない音が放射された。


「きゃあっ!! 何ですのこれは!?」

「音は聞こえてないのに~~」

「何か、妙な振動……超音波か!?」

「ぬはははは、左様!! 貴様らがいくら騒音を防いだとて、超音波までは防げまい!!」

「きゃー!! きゃ、キャリブグリーン、駆けつけ1曲、行きまーす!!」

「ってマキマキ!?」

「この状況で歌う気っ!?」

 グリーンはマイクを片手にカラオケ…にクリソツなクラリオン音波砲にテープをセットする。

 ♪ごっめんねっ、今まで黙ってて~

「ぐぉ!?」思わず両耳を押さえる雨音指令。

「む!?」オングーロも異変を感じる。

「くぁwせdrftgyふじこlp!?」

「ひぇ☆」

「えぇ~~!?」

「な、何だ!?」

「こ、これって……」

 新型ノイキャンイヤーピースには通信機能がある。そのため周囲の雑音はカットしながらも隊員同士の会話は可能という優れモノ。しかし、今、そこから流れるは――

「……ま、マキくん、まさかここまでとは……」昏倒する雨音指令。

「……ジャ○アン級の破壊力だぞこれマジ」

「……ま、マキちゅわん…もぉ止めて……アタシら死ぬし……」

「だ、だが見ろ、敵の様子も変だぞ」

「あら~~なんか~~酔っ払ってるみたい~~」

 そう。自らが放射する超音波とグリーンが唄うジャ○アン級の破壊音波の相互干渉により、メガロゲーロ(改)はハウリングのような状態になって言うなれば音の自家中毒を起こしていた。グリーン、こ、怖い子……(( ;゚Д゚)))

「み、皆さんっ!! チャンスですわっ!!」

 ブルーが頭を押さえながらも立ち上がる。

「よし、シスコンバズーカ、展開!!」レッドが叫ぶ。

 各人の武器が変形し、四角くなる。

「アンプ~~」

「デッキですわっ!!」

「チューナーよし!!」

「プレーヤーおっけ☆」

「スピーカー完了(`・ω・́)ゝ」

「あー!! 待ってくださぁーい!!」

 歌い終えて走ってくるグリーン。

「追加装備ですっ!! CDP、セットしまーすっ!!」

「おぉ……デジタルの夜明けじゃきー」エセ土佐弁やめいw

「なんと!! こいつのエネルギーゲインは5倍もあるのか!!」

「新兵器あるあるだねー☆」

「では行きますわよっ!! シスコンバズーカ」

「「「「「「発射!!!!!!」」」」」」

 両脇のスピーカー部分から放たれた6色の光芒が渦を巻きながら怪人に向かっていく。

「い、いかんっ!! 避けろ、メガロゲーロ(改)!!」

 オングーロが焦って命令するが、怪人はまだ酩酊状態で動けない。

 そこに命中する光線!!

「らぁぶりぃー!!」いや、それ違う番組だから。てか戦隊ですらないぞおい。


 ちゅどーん!!


 一瞬の間を置き、爆散する怪人。オングーロは今度こそ呆然としてへたり込む。

 爆煙を背に揃ってポーズを決めるキャリブレンジャー。おぉ、ヒーローっぽい。


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  G.W.期間中、連日公開!!

 期間中に完結予定(たぶん^^;)


 大参謀オングーロ、ブラック、ピンクについては追って公開予定の本編Disc.2をお楽しみに!! (おぃ)


 前回に引き続き、グリーンの歌も彼女の元ネタ絡みです。

 尚、ジャ○アン級に音痴なのはグリーンであって決して御本人ではないので誤解無きよう(^^;

 ウチには元歌の12インチ盤もありますが、A面の曲も御本人の中ではベスト3に入る名曲ですね。(残り2曲は個人的には「情熱」と「悲しみよこんにちは」)

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