Bonus.1 - tr.2『劇場版 磁帯戦隊キャリブレンジャー! -出陣!!新たなる戦士-』

「「「「「磁帯戦隊!!!!!」」」」」

 一斉に片手を突き出しポーズを決める。背景がど派手に輝く。

「「「「「キャリブレンジャー!!!!!」」」」」

 ちゅどーん!!とカラフルな大爆発!! てか、こんなに火薬使って学校は無事なのか!?


「……よ、よし」

 凜々しく名乗りを上げたキャリブレンジャーの後ろで、まるで実験に失敗して爆発炎上したマッドサイエンティストのようにボロボロになった雨音指令がヨロヨロと立ち上がる。校舎はともかく、彼はがっつりとダメージを受けた模様で、お約束のように頭髪もチリチリに……あ、天パは元々か。

「気を付けろ諸君!! 奴は今までの怪人より強力なようだ!!」おお、指令っぽいw

「言われるまでもありませんわ!!」

 キャリブルーが雑魚戦闘員を蹴飛ばしながら叫ぶ。

「ともかく、奴のあの騒音をなんとかせねば……」

 キャリブレッドが雑魚戦闘員を峰打ちにしながら以下同文。

「そういえば~~、二発目が来ないわね~~」

 キャリイエローが以下同文。

「出し惜しみでもしてんじゃね?」

 キャリピンク(略)

「波○砲みたくチャージに時間掛かると思われ」

 キャリブラック(r

「おい作者、手抜いてんじゃねーぞコラ」

 ……バレたかw ブラックにジト眼で睨まれた(ある意味ご褒美)。


「ノイズ対策はむわーかーせーたーまーえー!!」

 ドヤ顔で雨音指令が叫ぶ。ウザ。

「モード215、ノイキャンイヤーピースだ!!」

 その声で全員が一斉に叫ぶ

「「「「「モード215!!!!! イヤーピース装着!!!!!」」」」」

 叫ぶと同時に各員のフェイスマスクの耳部分に半透明のパーツが装着される。色は強化服に合わせた色だ。見た目が某高級イヤホンにクリソツなのは形状の最適化による収斂進化という奴なので気にしてはいけない。てかこんなカラバリあったら欲しいぞ。むしろ出してくださいsh*re様。

 同時に、怪人メガロゲーロが全身を震わせ怪音波というか大騒音を放つ。

「ゲロゲーロ!!」

 うわん!!と視界が歪んだかと錯覚するほどの強力な音波に、旧校舎の残った窓ガラスは砕け散り、只でさえ古い外壁がボロボロと崩落していく。

「む……こ、これはいかん。このままでは校舎が……急ぐのだ、諸君!!」

 両耳を押さえながら焦ったように叫ぶ雨音司令。てかアンタ、校舎より機材の方を心配してるだろ、絶対。

「ふっふっふっ、そんなちっぽけな耳栓如きでメガロゲーロの音波攻撃を封じられるかな?」

 余裕ぶっかまして嗤う大参謀オングーロ。あー、それフラグだから。


「皆さんっ、今のうちに行きますわよっ!!」

 キャリブルーが叫び、鞭を抜く。びゅっと一振り、

「ブルーウィップ!!」

 そのままおもむろに怪人を打ち据える。先端にオナモミ状のトゲトゲが付いているので見た目かなり痛そう。

「レッドスウォード!!」

 キャリブレッドが細身の日本刀のような剣をすらりと抜き、怪人に斬りかかる。ゴタゴタとデコトラちっくな装飾過多でとても切れそうに見えないデザインだが、そこはオトナの事情なので野暮なことは言いっこなしだ。

「イエローハンマー~~♪」

 キャリイエローが巨大なトゲ付き鉄球―所謂モーニングスター―を嬉々として振り回す。キャラに似合わず武器が過激である。

「ブルーの鞭はキャラにハマり過ぎな件w」

「女王様~って感じだよねー☆」

 ニヤニヤと笑い合うブラックとピンクを振り向いて睨み付けるブルー(おこ)。

貴女あなたたちっ、陰口は聞こえないところで言うモノよっ!!」

「油を売ってないでさっさと攻撃せんか」と呆れ顔のレッド。

「ほいほーい!! んじゃ、ピンクフレイル!!」

 三節棍のような武器を取り出し、怪人を殴打するピンク。

は最後に……ブラックショット!!」

 強化服のバイザーの上にグラサン型のターゲットスコープを装着し、これまた装飾過多なレミントンM31ショートバレルといった体の大型銃を黙々とぶっ放すブラック。なんか家でFPSでもやってるノリなのが逆に怖い。


「グ……ガガガガカ……」

 フルボッコ状態で体表のメガホンもボロボロの怪人メガロゲーロ。それでも最後の力を振り絞り、怪音波を放つ。

 これまでにない音量MAXの攻撃に、キャリブレンジャーのイヤーピースが火花を発し始めた。

「きゃぁぁぁ~~」

 イエローが耳を押さえる。

「ぬぉ……これはちょっと死ぬレベル……」

「無理無理無理~ちょいこれヤバいって!!」

 ブラックとピンクが頭を抱えてうずくまる。こうしてるとウサギっほくてかわ。

「皆さんっ、最後のひと踏ん張り、行きますわよっ!!」

 ブルーが立ち上がり、鞭を構え直す。

「立て、立つんだ、みんな!! 我々の戦いはこれからだっ!!」

 待てレッド、それ打ち切りフラグだから。

「……よ、よし!! モードF004!!」こちらもフラフラの雨音指令。

「「「「「らじゃ、モードF004!!!!!」」」」」

 5人が一斉に拳を胸の前で打ち合わせると、両手には銀色のメカメカしい籠手というかグローブ的な武器が装着された。

 一斉に怪人に向かい、拳を突き上げる!!

「「「「「必・殺、メタルポジションパンチ・クィンテット!!!!!」」」」」

 尚、レッドだけがこっそりとJET!とかなんたら昇龍覇とか心の中で叫んだのはナイショだ。

 パンチを喰らった怪人は空高く打ち上げられ、見えなくなった。

「「「「「星になれー!!!!!」」」」」

 5人の叫びと同時に空の彼方でキラーン☆とかちゅどーん!!とか音がしたような気がしなくもない。


「な……ななな……」

 まさかの敗北に驚愕のあまり顎ガックンな大参謀オングーロ。

「さて、次は貴様だな」とレッド。

「お覚悟は宜しくて?」とブルー。いや、それ時間帯が違うから。

「おイタが過ぎましたね~~(^-^#」実は激おこなイエロー。

「おっしおき☆おっしおき☆」煽るピンク。

「……ぶっコロがす。輪廻の輪から断ち切って完全消滅確定」眼が怖いぞブラック。

 駄菓子菓子、そこは鋼メンタルというか口の減らない男。

「……ふっ、ふははははは!!」あ、立て直した。

「今回は小手調べだったとは言え、なかなかやるな、キャリブレンジャー!!」

「あー……」げんなり顔のピンク。

「それな」ブラックも以下同文。

「本日はここまでにしておいてやるが、次はこうは行かぬ。首を洗って待つが良い!!」

「……どうしてああいう手合いは毎度毎度同じことを宣うのかしら?」

 ブルーがこめかみを押さえながら嘆息する。

「学習能力の欠如というべきか、テンプレと言うべきか」

 そこはかとなく投げ遣りなレッド。

「なんかマニュアルでもあるのかしらね~~」

 そんなマニュアルは嫌だw

「ではまたお目に掛かるとしよう!! さらばだ!!」

 ふっ、と掻き消すようにオングーロの姿が消え、上空の飛行要塞が高速で飛んで行った。


「マキくん、奴の位置はどうか?」

 雨音指令がマキ秘書に叫ぶが、

「――駄目ですっ。レーダーの圏外に出てしまいました……(´・ω・`)」

「なんという速度だ……」


「逃げ足だけは速いようですわね」

「まったくだ」

「部室…じゃなかった基地はどうする~~?」

「機材は放っといても指令が片すからいんじゃね?」

「それなw」

「それじゃ~~、食器棚だけ整理して、お茶にしましょう~~♪」

「ヒビキ隊員のメンタルも大概だな」

「まぁいいですわ。一休みして、対策を練るとしましょう」


 尚、この後、部室の機材の片付けで雨音指令は徹夜した。


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  G.W.期間中、連日公開!!

 期間中に完結予定(たぶん^^;)


 大参謀オングーロ、ブラック、ピンクについては追って公開予定の本編Disc.2をお楽しみに!! (おぃ)

 尚、雨音指令こと響一郎と作者のノリが本編と比べてウザさ500%増しになっていますが、劇場版限定仕様なので平にご容赦下さい(テヘペロ (←反省の気配なし)

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